本研究は、アメリカのクリエイティヴ・ライティング・プログラム(創作科)が全米に展開する過程において、冷戦期の文化政策が与えた影響を多角的に検討し、その結果どのような「アメリカ文学らしさ」の言説が形成されていったか小説作品を実証的に検証することを目的とし、(1)アーカイヴ資料調査(2)実証的作品研究(3)国内の連携研究者および海外の創作科関係者との協力を中心に研究を予定していた。 (1)については、2019年度末にオックスフォード大学マートン・カレッジとローズ・ハウスにてポール・エングル関連のアーカイヴ調査に着手したが、その後、COVID-19パンデミックにより調査が停滞した。(2)については、デイヴィッド・フォスター・ウォレスの長編小説を中心に作品研究を行うとともに、『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』に集成されることになる原稿を定期的に寄稿した。(3)については、2018年度末と(研究期間延長後の)2022年度末に米国創作学会に参加し、2018年度末は発表を行うとともに、2022年度はイギリスの詩人との交換プログラムを実現させた。
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