研究課題/領域番号 |
18K00397
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
杉村 寛子 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (20411267)
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研究分担者 |
工藤 多恵 関西学院大学, 工学部, 教授 (70342350)
南津 佳広 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 准教授 (70616292)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 文学テクスト / 論理的想像力 / 翻訳 / 推論発問 / 英語教育 |
研究実績の概要 |
引き続きコロナ禍の影響を受け、当初の計画通りには行かない部分もあったが、試行授業についてはほぼ予定通りに実施することができた。工藤は、オンライン授業であったため、授業内活動をモニターできるような環境を整えた上で、事前課題として短編小説とそれに関する推論発問(ワークシート)を与え、授業では学生に課題小説についてディスカッションさせた。その後、回収したワークシートとディスカッションの模様を分析し、考察した結果について、JACET文学教育研究会で口頭発表を行なった。そして、これを敷衍する形で杉村と共同で学術論文としてまとめ上げた。杉村は600 wordsほどの短い物語を数回に分け、翻訳させる授業を実施し、産出された翻訳文を分析することで、学生は文脈を構築しつつ、どのように物語の場面を想像しているのかについて考察した。この結果はまだ草稿の段階にあり、次年度に学術論文としてまとめる予定にしている。さらに、杉村は本研究課題の要となる「論理的想像力」を定義するために、想像力や思考力に関する文献渉猟を行ない、仮説として立てていた定義に理論的な枠組みを付与し、上述の発表済みの学術論文に著した。南津はオンライン授業にて英日語間の映像翻訳を行ない、極めて厳しい字数制限における字幕編集にて必要となる「言いかえ」に着目した。特に、事象を把握した上で視点の変更を伴う語用論的な言いかえを促す方法を分析し、杉村とともに日本メディア英語学会の年次大会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍2年目ではあったが、引き続き校務関係で負荷がかかり、当初の計画通りには進んでいない。夏に延期していた渡英もコロナ感染拡大時期と重なり、見合わせることとなった。また渡英で渉猟したいと考えていた資料も閲覧(入手)できず、翻訳者との面談の機会も見送ることとなり、研究のさらなる発展の端緒を逃している。
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今後の研究の推進方策 |
一年の延長を認められたため、渡英など見直しが必要な計画については再検討する。またこれまで口頭発表をしたままで、整理のできていない成果については、学術論文として完成させる。その他、これまでの文献研究の成果および施行授業の結果を整理し、最終年度の報告として発表できる形にまとめていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
渡英を前提とした研究計画上必要であった予算が執行されないまま、持ち越されることになった。これが次年度使用額が発生した一番の理由である。コロナ感染状況などを踏まえ、次年度渡英調査が計画通りに実施できれば、その渡航費に使用する予定である。まだ入手できていない文献資料費としても執行するつもりである。
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