今後の研究の推進方策 |
2020年度は21世紀のアイルランドで活躍する作家の作品における移民表象について研究を進めていく。具体的には、Colm Toibin, Sebastian Barry, Joseph O'Connor, John Boyneらの4名の作家を対象とするが、すでに前年度にColm Toibinについての検証に取り掛かっているため、1950年代から70年代生まれのアイルランド人作家で、その作品に「移民」を扱ったものを掘り起こし、新たな検証対象として追加する予定である。 さらには、前年度末にアイルランドへの出張を繰り上げ実施したこともあり、そこで得られた情報をもとに「貧しい移民」といったステレオタイプではなく、「多様な移民像」という視点を加えながら、アイルランド小説における移民像の変遷と人々の価値観や社会情勢の変化が連動しているとの仮説を立証したうえで、次年度の総括へとつなげていく。
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