本研究は、『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』(1818)から2世紀を経た現在、『フランケンシュタイン』をイギリス・ロマン主義の文学と科学の関係、共感と文学的想像力の新たな可能性を考察する出発点とし、『フランケンシュタイン』に大きな影響を与えた同時代の作品、『フランケンシュタイン』が影響を与えた後代の作品、同時代の科学から現代にいたるまでの科学の発展と文学の関係をロマン派の作品における「他者」との関係の点から検討し、文学的想像力と共感が、人文学と科学が共同/協働してグローバリゼーションやコロニアリズムが引き起こす問題に対処する時に大きな力を発揮することを示した。
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