研究課題/領域番号 |
18K00413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
小田 敦子 三重大学, 人文学部, 特任教授(教育担当) (80194554)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Emerson / Public Intellectual / Nature / Representation / Representative Men / Science / Secularity / Goethe |
研究成果の概要 |
エマソンを「パブリック・インテレクチュアル」とするに力のあった「自己信頼」という考えには、「私人の無限性」の基盤には公的な存在である自然の法、或いは、自然の生成力があるという当時の人々には受容しにくい科学的な、それも進化論的な思考があり、その葛藤がエマソンを難解にしていると考え、Nature(1836)からRepresentative Men(1850)まで科学的言説を検証し、これまで看過されてきた科学的視点の重要性を明らかにした。後者は偉人論ではなく、エマソンの科学的思考がどのように形成されていったか、重要概念である「代表/表象」の科学的根拠や、有機的生命観のゲーテで終わる意味を認めた。
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自由記述の分野 |
アメリカ文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アメリカ本国の研究ではあまり論じられないテーマで先行研究も少ないため議論を呼ぶ点もあったが、論文や学会発表を通じて、意味のある視点を提供できたと思う。スコットランド啓蒙主義やイギリス・ロマン派など、エマソンへの影響として周知の事実も科学的な視点から再考することで得た知見は、エマソン以外の研究者にも資することできた。 影響力が大きい割にその影響が認識されることの少ないエマソンの存在の大きさを伝えることに努めた。明治のベストセラー、Self-Helpへのエマソンの影響を論じたのも、日本でも忘れられている、かつてのエマソン人気を知ることには現代の日本にとっても意味があると思うからだった。
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