| 研究課題/領域番号 |
18K00430
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| 研究機関 | 上智大学 |
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研究代表者 |
松本 朗 上智大学, 文学部, 教授 (00365678)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 英語圏文学 / 定期刊行物 / ミドルブラウ / ジェンダー |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、1930年代から1960年代にかけての英国ミドルブラウ文学・文化が有した国際性と革新性を明らかにするために、(1) この分野で重要な役割を果たしたW. Somerset MaughamとOlivia Manningという、英国の〈外〉で第二次世界大戦を経験し、英国内外の高踏的・大衆的定期刊行物に寄稿した重要なミドルブラウ作家に焦点をあて、(2) これらの作家の評論、短篇・長編小説、小説の映画化作品のなかでも、(i) Maughamに関しては東南アジア、(ii) Manningに関してはバルカン半島、に関係するテクストを、最近になって深化した「後期モダニズム」研究と、19世紀末から国際化した出版文化の文脈に再配置した上で、(3) ナショナリティとジェンダーの観点から分析し直すことによって、(4) 「後期モダニズム」の一部としての英国ミドルブラウ文学・文化が、第二次世界大戦から冷戦期にかけて、ヨーロッパとの関係で揺れる英国のナショナル・アイデンティティや、世界各地のモダナイゼーションの過程の不均衡を表象する、クリティカルな営みであったものと捉え直し、学際的に論じるものである。
2019年度は、ミドルブラウ研究の先行研究を渉猟する一方で、8月にはロンドンのBritish Libraryでリサーチを行い、W. Somerset MaughamとOlivia Manningが関わった定期刊行物に関する必要な調査を行った。9月にはアテネ（ギリシア）で開催された国際学会第8回 ESPRit Conferenceで研究発表を行った。2020年3月にはNew York Public LibraryとBoston University Libraryで定期刊行物のリサーチを行う予定であったが、新型肺炎の流行により出張のキャンセルを余儀なくされた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年末までは若干の遅れがありながらも資料の渉猟と資料および文学テクストの分析を進めていたが、2020年3月に予定していたNew York Public LibraryとBoston University Libraryでのリサーチが新型肺炎の流行の拡大によりキャンセルを余儀なくされたため、今後、さらに少し進捗が遅れることが予想される。
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| 今後の研究の推進方策 |
新型肺炎の流行の拡大により2020年度は海外出張をすることができない可能性があるため、予定していた通りには、定期刊行物のリサーチが進まないことが予想される。したがって、これまでに集めた定期刊行物のテクスト、ミドルブラウ研究の先行研究、および文学テクストの分析を進めることとする。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、上智大学文学部の「個人研究成果発信奨励費」を取得したため、2019年9月のアテネ出張はそれを使用することができたことと、2020年3月に予定していたNew YorkとBostonへの出張については、新型肺炎の流行の拡大によりキャンセルを余儀なくされたため、次年度使用額が生じている。2020年度も新型肺炎の流行のために引き続き海外の図書館でのリサーチは難しいと思われるため、2020年度は可能な範囲で資料を購入し、2021年に、海外の国際学会で発表をする方向で進めたい。
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