研究課題/領域番号 |
18K00437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 同志社大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
藤井 光 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20546668)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 現代文学 / 英語圏文学 / 翻訳 / 移民文学 / 記憶と物語 / 創造性文化と文学 |
研究成果の概要 |
本研究は、主に21世紀のアメリカ文学(なかでも小説)において、土地との関わりが「偶然」という要素を強調されて描かれるという現象の諸相を解き明かすことを目指したものである。その過程で、1)主に白人作家の文学における新自由主義経済と文学生産との関係、2)移民文学における過去の記憶やボーダー概念の変化、3)空間的・文化的な制約を超えた「共感」への警戒感、4)「翻訳」を物語の中心に組み込んだ小説の台頭、といった現象を考察することになった。今後、それらの主題を個別に発展させていく必要がある。また、そうした主題を含む現代小説の翻訳紹介にも努めた。
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自由記述の分野 |
現代英語圏小説
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が対象とした現代英語圏文学の研究において、アイデンティティの問題をはじめとする個人の「声」という視点は広く共有されている。一方で、現代作家たちがそうした「声」の背後にある集団間での不均衡な関係への注目を強め、あるいは非英語圏での記憶を英語によって語る際に「共感」への批判的視点を物語自体に取り込んでいる、といった論点は、現代文学の成り立つ条件を論じることを可能にしたといえる。
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