研究課題/領域番号 |
18K00451
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
植 朗子 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (20611651)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 植物民俗学 / 説話伝承 / 伝説 / 民間療法 / 代替医療 / 民間伝承 / 食事療法 |
研究実績の概要 |
2019年度は、科研費のこれまでの成果の一端として、論文を発表した。タイトルは、「ドイツ語圏の民間伝承と観光:食文化・食養生・自然療法の事例から」(German Folklore and Tourism : Food Culture, Medicinal Foods and Natural Therapy― Case Studies)で、神戸大学国際文化学研究推進センターの2019年度研究報告書に収録されている。 また出版社と、研究成果の書籍化について打ち合わせが進んでいる。出版にむけた研究内容は、グリム兄弟『グリム童話集』における「薬草」の伝承の調査である(2019年度研究計画分に該当する)。必要なデータ抽出は終了しており、そのデータと植物学者のハインリッヒ・マルツェルの植物事典の内容を精査しているが、植物に関する解説にラテン語等の表記が見られ、別のドイツ語の植物事典を用いて内容をさらに確認する必要があると思われる。現在までは、植物の項目を「樹木」「薬草」「花」と分類し、各年度ごとに進めているが、統合した内容、あるいは別の分類方法による検討をくわえることも、今後の研究に追加したい。 「先行研究において統一を見なかった植物名を整理することができる」というのが、本研究の意義であるが、グリム研究者との意見交換の中で、「植物名」の正確な表記がグリム研究のみならず、他の伝承研究に有意義であることを繰り返し周知することに努めてきた。他の植物名との混同を修正し、それらを出版物として発表することが、その意義を広く伝える手段となりうると思われるため、今後一層研究を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年後半に体調を崩したため。現在は回復しており、遅延している内容について進めることができている。しかし、2020年度に海外から研究者を招聘して講演会を企画していたが、年度末に新型コロナウィルス蔓延の問題が起こり、次年度の研究内容の変更の検討が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は海外から研究者を招聘して講演会を企画していたが、現時点では新型コロナウィルス蔓延の懸念から、講演会ではなくSkypeを利用した海外研究者との打ち合わせ・意見交換会に変更する。それらの成果については2021年度の講演会に発表を行うことでかえたい。また、2019年度後半に遅延していた研究は現在進めることができており、順調である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年後半に体調を崩したため。(現在は回復しており、遅延している内容について進めることができている。) 新型コロナウィルスの影響で、Skypeやzoomでの打ち合わせと意見交換の頻度が増えており、それにともなって、さらなるパソコン機器の整備が必要である。次年度使用額で、デスクトップパソコン(iMac 21.5インチ 16GBに増設 予定金額182800円)を購入予定である。現在ノートパソコン(13インチ)を使用しているが、植物の写真データ確認のために細部が確認できるディスプレイが必要となった。データ保存のためのSDカード等の消耗品の購入も予定より増える。 2020年度はオンラインの研究会を予定しており、そのための講師謝金および関連費用を使用する。論文および書籍刊行準備のため、植物学関連の研究アドバイザーとの打ち合わせが回数が増えるため、それに関連した指導助言謝金も増える見通しである。
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