研究実績の概要 |
1. 研究課題「古代農書『ゲオーポニカ』研究―アラビア語版に基づくギリシア語原典の復元」に関する研究成果を2019年6月3-6日アテネで開催された国際会議(2nd Annual International Conference on Classical and Byzantine Studies)で報告し、同時にアテネ滞在中にアテネ国立考古学博物館、アゴラ博物館、アクロポリス博物館およびデルポイ考古学博物館などで農業に関する考古資料の調査・収集を行った。
2.アラビア語版農書の調査・収集を行った。 東京大学図書館では、アナトリオスのアラビア語版農書に関する論文(E. G. Gomez, Sobre agricultura arabigoandaluza, al-Andalus 10, 1945, 127-46)、の調査・収集を行った。続いて、慶応大学メディアセンターでは、アナトリオスのアラビア語版農書が翻刻されている論文(M. C. Vazquez de Benito, El Manuscrito N. 30 de la Coleccion Gayangos, BAEO 9, 1973, 73-124および10, 1974, 215-308)の調査・収集を行った。
3.古代農書『ゲオーポニカ』とアラビア語版農書(アナトリオスの『農書』すなわちEl Manuscrito N. 30 de la Coleccion Gayangos)の比較研究を行った。両書の比較研究を通して、アナトリオスのアラビア語版農書はギリシア語原典から翻訳されたものであること、10世紀に編纂された『ゲオーポニカ』は4世紀に編纂されたアナトリオスの『農書』を底本として編まれたということを明らかにした。
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