ロシア文学博物館との共同調査により、亡命ロシア芸術家ワルワラ・ブブノワ(亡命ロシアの芸術家)からのレーミゾフ宛書簡を発見、1950年代パリと東京の亡命ロシアを繋ぐ新資料として公開した。また、ゴモリツキ論を執筆、これは研究の蓄積が薄いポーランドの亡命ロシア研究への重要な貢献となる。研究期間後半には、「場所」概念の現代文化における重要性にも照らして、現代ポーランドの作家オルガ・トカルチュクによるノーベル賞受賞記念講演の翻訳と解説を執筆、単行本として出版し、ノーベル賞受賞以降、本邦で高まっている社会的関心に応えた。また、ロシア文学の概説書を共編し、学術的成果の社会への還元に努めた。
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