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2018 年度 実施状況報告書

ホロコーストを中心とする戦争表現のリアリティに関するジャンル横断的比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00465
研究機関名古屋外国語大学

研究代表者

加藤 有子  名古屋外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90583170)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードホロコースト / ポーランド / 広島・長崎 / 原爆 / カラー写真 / ゲットー / 記憶 / リアリズム
研究実績の概要

ナチス・ドイツが撮影したゲットーのカラー写真、アメリカ軍の撮影による広島、長崎原爆跡のカラー写真の比較研究に向けて、それぞれの受容史、カラー写真の技術史に関する資料収集、調査を開始した。前者についてはかなりの関連研究が出ており、調査を進めた。また、この比較研究のテーマに関して、欧米の研究者に概要を話し、意見交換をしたところ、新規性を評価され、来年度以降、アメリカで行う研究プロジェクトに展開した。
ポーランドでは、1990年代以降の日本におけるホロコースト、ユダヤ人虐殺の受容に関する論考をユダヤ人虐殺の専門査読誌『ユダヤ人虐殺』に寄稿した。日本における研究資料、書籍の状況を調査してまとめ、さらに太平洋戦争を扱う日本の同時代の文学、映画との比較も盛り込んだ。日本におけるホロコーストの受容に関する概観を同誌の先の号にすでに発表しており、そこで十分に扱うことのできなかったトピックを補足したかたちになる。ポーランド語で日本の戦争をめぐる記憶の状況を知らせる重要な論考となっている。
また、ポーランドに渡航し、ホロコースト研究者とユダヤ人虐殺をめぐる現在の政治状況、社会的言説について最新の情報、意見交換を行った。
広島における原爆の記憶、その言説をめぐる日本およびポーランドの研究者とコンタクトを取りつつ、文献資料の収集と調査を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自身の研究テーマを日本語・英語でまとめ、国内外の研究者との意見交換を通して、資料収集、ネットワーク作りを進めることができた。そこから、一つのトピックに関して、国外の機関における在外研究の可能性が開けた。

今後の研究の推進方策

本科研で予定していたトピックを課題とする研究で、来年度、アメリカのホロコースト記念博物館に客員研究員として滞在するための競争的フェローシップを獲得した。在外研究のために1年間科研費を休止し、アメリカおよびヨーロッパで調査・研究を進める。資料面のみならず、人的面でも専門的フィードバックが得られる環境であり、年度ごとの計画を変更する必要は生じるが、研究の飛躍的発展と、国際的場での研究成果発表の機会が期待できる。

次年度使用額が生じた理由

研究の進行上、日本国内他都市における調査を来年度以降に回しため、旅費の支出が予定より下回った。次年度に同調査を行う際の旅費として使用する。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 図書 (3件)

  • [国際共同研究] ポーランド科学アカデミー文学研究所/ポーランド科学アカデミー哲学社会学研究所/アダム・ミツキェヴィチ大学(ポズナニ)(ポーランド)

    • 国名
      ポーランド
    • 外国機関名
      ポーランド科学アカデミー文学研究所/ポーランド科学アカデミー哲学社会学研究所/アダム・ミツキェヴィチ大学(ポズナニ)
  • [雑誌論文] ポーランドにおけるホロコーストの記憶――ワルシャワ・ゲットー、学術界の現在2019

    • 著者名/発表者名
      加藤有子
    • 雑誌名

      アウシュヴィッツ平和博物館ニュースレター

      巻: 61 ページ: 6-7

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Japonskie publikacje o Zagladzie wydane po 1995 r.2018

    • 著者名/発表者名
      Ariko Kato
    • 雑誌名

      Zaglada Zydow. Studia i Materialy

      巻: 14 ページ: 632-647

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nieznana wersja Pale Paryz Brunona Jasienskiego2018

    • 著者名/発表者名
      Ariko Kato
    • 雑誌名

      Polonistyka na poczatku XXI wieku: Diagnozy, koncepcje, perspektywy. Tom 1. Literatura Polska i perspektywy nowej humanistyki. Ed. Jolanta Tanbor

      巻: 1 ページ: 452-465

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ポーランドにおけるホロコーストの記憶―――ヘウムノとウーチの現在2018

    • 著者名/発表者名
      加藤有子
    • 雑誌名

      アウシュヴィッツ平和博物館ニュースレター

      巻: 60 ページ: 6-7

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ポーランドにおけるホロコーストの記憶――ポーランド・ユダヤ史博物館、第二次世界大戦博物館2018

    • 著者名/発表者名
      加藤有子
    • 雑誌名

      アウシュヴィッツ平和博物館ニュースレター

      巻: 59 ページ: 4-5

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ポーランドにおけるホロコーストの記憶2018

    • 著者名/発表者名
      加藤有子
    • 雑誌名

      アウシュヴィッツ平和博物館ニュースレター

      巻: 58 ページ: 6-7

    • オープンアクセス
  • [学会発表] デボラ・フォーゲル『アカシアは花咲く』をめぐって2019

    • 著者名/発表者名
      加藤有子
    • 学会等名
      シンポジウム「ポーランド文学の多様性」東京大学
  • [学会発表] 普遍言語の探求――両大戦間期ポーランド前衛文学の複数言語使用の作家たち――ポーランド未来派ブルーノ・ヤシェンスキの「ヨーロッパ」と言語2018

    • 著者名/発表者名
      加藤有子
    • 学会等名
      ロシア東欧学会第47回研究大会、神戸大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 1930年代ポーランドのユダヤ系前衛作家の共通言語/普遍言語の探求――デボラ・フォーゲルとブルーノ・シュルツ2018

    • 著者名/発表者名
      加藤有子
    • 学会等名
      シンポジウム「東欧文学の多言語的トポス:複数言語使用地域の創作をめぐる求心力と遠心力」東京大学
  • [学会発表] Mapa i znaczki: Czytanie Schulza polstkolonialne2018

    • 著者名/発表者名
      Ariko Kato
    • 学会等名
      Bruno Schulz; filozofia, poetyka i inne perspektywy miejsca (Drohobycz, Ukraine)
    • 国際学会
  • [学会発表] Przygody z Debora Vogel: spotkanie z tlumaczami Ariko Kato i Jurkiem Prochaska2018

    • 著者名/発表者名
      Ariko Kato
    • 学会等名
      VIII International Bruno Schulz Festival (Ukraine)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 趣旨説明―〈ヒロシマ・アウシュヴィッツ〉のレトリックを超えて2018

    • 著者名/発表者名
      加藤有子
    • 学会等名
      国際シンポジウム「ポーランドと日本における第二次世界大戦の記憶ホロコーストと原爆を起点とする比較的アプローチ」ウィンクあいち
    • 国際学会
  • [図書] アカシアは花咲く2019

    • 著者名/発表者名
      デボラ・フォーゲル、加藤 有子
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      松籟社
    • ISBN
      978-4-87984-371-5
  • [図書] Bruno Schulz - entre modernisme & modernite2018

    • 著者名/発表者名
      Wlodzimierz BOLECKI, Dieter DE BRUYN, Maria DELAPERRIERE, Peter ESTERHAZY, Aleksander FIUT,David GOLDFARB, Jerzy JARZEBSKI, Ariko KATO, Michal Pawel MARKOWSKI, Viera MENIOK, Zaneta NALEWAJK, Joanna PAWELCZYK, Stanislaw ROSIEK, Marc SAGNOL, Jean-Pierre SALGAS, Malgorzata SMORAG-GOLDBERG ほか15人
    • 総ページ数
      412
    • 出版者
      Paris: Editions L'improviste
    • ISBN
      978-2-913764-61-3
  • [図書] Bruno Schulz a wspolczesna teoria kulturowa. Materialy VII Miedzynarodowego Festiwalu Brunona Schulza w Drohobyczu2018

    • 著者名/発表者名
      Wiera Meniok, Ariko Katoほか28名
    • 総ページ数
      738
    • 出版者
      Drohobycz: Polonistyczne Centrum Naukowo-Informacyjne im. Igora Menioka Panstwowego Uniwersytetu Pedagogicznego im. Iwana Franki w Drohobyczu
    • ISBN
      9786177624249

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公開日: 2019-12-27  

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