研究実績の概要 |
1) 米国におけるアジア・ドイツ研究に対する批判と議論、学問分野「アジアン・ジャーマン・スタディーズ(AGS)」の確立に貢献するという観点では、米国の歴史家Joanne Miyang Cho (William Paterson University, New Jersey)、Eric Kurlander (Stetson University, Florida)、Douglas T. McGetchin (Florida Atlantic University)と批判的な議論を行った。その成果として、ユダヤ人の上海亡命と今日におけるその記憶についての論文が、上記3名によって出版される書籍 Shelter from the Storm に掲載される。また、22年3月に行われた書籍プロジェクト・ワークショップ Space in Holocaust Research. A Transdisciplinary Readerでの口頭発表でも、同様のテーマを扱った。当該書籍には、本口頭発表も論文として収録され、出版される予定である。 2) トランスカルチャー概念については、21 年 にソウル大学ならびに学習院大学主催で開催されたオンライン研究会において、ムージルの文学作品をトランスカルチャー的視点から解釈する諸口頭発表を行い、議論を行った。現在、これらの口頭発表を論集として出版する準備を進めており、今年度中にドイツ語圏の出版社から出版される予定である。 3) 「トランスカルチャー的舞台」分析という観点では、21年に国際ゲルマニスト学会で Transiterfahrungen in der Literatur des Exils und der Migration 行った口頭発表が、論文として22年に出版された。これにより、亡命文学と移民文学の関連を明らかにすることができた。
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