研究課題/領域番号 |
18K00485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
Pekar Thomas 学習院大学, 文学部, 教授 (70337905)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | トランスカルチャー / アジアン・ジャーマン・スタディーズ (AGS) / 亡命文学 / 亡命 / 移民文学 / 移民 / 文化接触 / 東アジア受容 |
研究成果の概要 |
本研究では、テクストや認識の仕方が、異なる文化的影響を通じて特定の文化に当てはまらなくなりトランスカルチャー化していく経緯を、「トランスカルチャー的概念」を用いて明らかにした。(1)1900年前後の東アジアの自己像をめぐる言説(新渡戸稲造や詩人Hans Bethge)と(2)1933~45年に東アジアに亡命したユダヤ系ドイツ人の経験を分析対象とした。上海亡命と亡命者A.J. Storferに関する論文は、米国のアジア・ドイツ研究を代表する研究者との共同プロジェクトにおいて発表され、こうした連携により、ドイツ語圏、英語圏それぞれの研究成果を共有する学問分野としてのAGSに貢献することができた。
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自由記述の分野 |
ドイツ文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会的意義としては、亡命、移民、文化接触をトランスカルチャー概念によって研究することにより、現代の移民をめぐる問題をも深く考察する可能性を見出すことができた。学際的な意義としては、トランスカルチャー概念を、単に都合の良い例を示すだけに留まらない、有用な用語であると証明できた。上海へのユダヤ人亡命が示すように、異なる文化が一つの場所に共存しても、トランスカルチャー理論の意味でのハイブリッド空間が常に生じるとは限らない。また、破壊的なトランスカルチャー性も認められた。第一次世界大戦後のドイツにおける戦争言説は、日本の戦争言説を取り入れ、トランスカルチャー的次元で巨大な力を獲得した。
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