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2021 年度 実績報告書

マルセル・プルーストと大衆化の力学:小説の生成過程と受容過程をめぐる表象史研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00490
研究機関立教大学

研究代表者

坂本 浩也  立教大学, 文学部, 教授 (50533436)

研究分担者 小黒 昌文  駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (50438199)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードフランス文学 / プルースト / 失われた時を求めて / 大衆文化 / 視覚文化 / 推理小説 / 大衆化
研究実績の概要

最終年度である4年目は、予定どおり研究成果を発表した。
2021年5月、国際シンポジウム「プルースト──文学と諸芸術」がオンラインで開催され、発表内容が論文集『プルーストと芸術』として2022年3月に刊行された。そのなかで小黒は「ある眼差しの歴史=物語のために──プルーストと二十世紀の視覚文化」と題し、広告ポスターをめぐる世紀転換期の批評的言説(ロジェ・マルクス、ギュスターヴ・カーン、エミール・ストロースなど)を分析しながら、プルーストの小説におけるポスターの描写を読解した(289-308頁)。坂本は「探偵と犯人のあいだで──プルーストと推理小説の時代」と題し、プルーストがポーやドイルの作品をどのように受容し、作品に活用したのかを検証し、スティーヴンソンの『爆弾魔』と『見出された時』の戦争の挿話の具体的な共通点を指摘した(325-340頁)。小黒はまた、クリストフ・プラドーの論考「プルーストと万国博覧会の見世物(スペクタクル)」の翻訳もおこなった(309-324頁)。
2021年7月、日本プルースト研究会において、坂本が「プルースト受容の現在──大衆化と学術性のあいだで」と題して発表した。(1)小説の視覚化(図版、映画化、マンガ化)の意義と問題点、(2)映画や小説に登場する「プルーストの読者」像、(3)大衆文化における「プルースト効果」のイメージ、(4)二次創作と批評の境界という4つの観点から、収集した事例を紹介・分析した。
2022年1月、受容研究の射程を科学の分野に広げ、「プルースト現象」(嗅覚にもとづく自伝的記憶)の専門家・山本晃輔氏を講師に迎え、オンライン研究会「認知心理学におけるプルースト受容」を実施した。
坂本は、『消え去ったアルベルチーヌ』における「未成年者誘拐」のエピソードを同時代の作品と比較した論文をフランスの専門誌に寄稿した(2022年秋に刊行予定)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] プルースト受容の現在──大衆性と学術性のあいだで2022

    • 著者名/発表者名
      坂本浩也
    • 雑誌名

      立教大学フランス文学

      巻: 51 ページ: 19-41

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Le detournement de mineure selon Proust, France et Tinan2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroya Sakamoto
    • 雑誌名

      Bulletin d'informations proustiennes

      巻: 52 ページ: -

  • [学会発表] ある眼差しの歴史=物語のために──プルーストと二十世紀の視覚文化2021

    • 著者名/発表者名
      小黒昌文
    • 学会等名
      日仏シンポジウム「芸術照応の魅惑4 プルースト──文学と諸芸術」
    • 国際学会
  • [学会発表] 探偵と犯人のあいだで──プルーストと推理小説の時代2021

    • 著者名/発表者名
      坂本浩也
    • 学会等名
      日仏シンポジウム「芸術照応の魅惑4 プルースト──文学と諸芸術」
    • 国際学会
  • [学会発表] プルースト受容の現在──大衆化と学術性のあいだで2021

    • 著者名/発表者名
      坂本浩也
    • 学会等名
      日本プルースト研究会
  • [図書] プルーストと芸術2022

    • 著者名/発表者名
      吉川一義(編)、三浦篤、アントワーヌ・コンパニョン、中野知律、和田章男、セシル・ルブラン、和田恵里、マチュウー・ヴェルネ、青柳いづみこ、松浦寿輝、水村美苗、湯沢英彦、荒原邦博、泉美知子、ソフィー・デュヴァル、津森圭一、小黒昌文、クリストフ・プラドー、坂本浩也、ナタリー・モーリヤック・ダイヤー
    • 総ページ数
      381
    • 出版者
      水声社
    • ISBN
      978-4-8010-0630-0

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公開日: 2022-12-28  

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