研究課題/領域番号 |
18K00493
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
伊勢 晃 同志社大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (00379059)
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研究分担者 |
伊藤 洋司 中央大学, 経済学部, 教授 (10384728)
バンジャマン サラニョン 大阪大学, マルチリンガル教育センター, 特任准教授(常勤) (00739360)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ベル・エポック / モダニスム / フランス映画批評 / 受容研究 |
研究実績の概要 |
本研究は,20 世紀初頭の映画に関する基礎的資料の整備を行った上で,大戦前後の芸術をめぐる現象,理論を分析し,映画産業との関わりを明確にすることによりフランス前衛芸術の新しい局面を提示することを目的とするものである。そのために当時の映画作品と製作者,それに関わる評論およびその執筆者,掲載誌に関するデータベースを作成し,文学誌,美術誌のデーターベースと照合し,関連付けることにより,新しい芸術の潮流が形成されていく過程を明確にする作業を進めてきた。フランスの研究協力者を日本に招聘し,公開講演会や研究会を開催することにより,社会への還元を行った。海外の第一線の研究者と緊密な連携体制をとり最新の知見を取り入れることで国内外の研究環境を整備し,「エスプリ・ヌーヴォー」の本質の一端を解明するとともに,この時代精神の日本文化への影響についても視野を広げてきた。 最終年度は得られたデータの解析と成果の発表,およびフランスの研究協力者2名の招聘とシンポジウムを計画していたが,コロナ禍の影響により,現時点ではまだ作業を継続している状況である。しかし,現地協力者のおかげでフランス国立図書館で開催される予定であったシュルレアリスム関係の展覧会に研究代表者が特別招待され,専門的知識の提供を受けることが可能となったため,これまでの研究で不十分であった点を確認するとともに,新しい視点を獲得することにつながった。さらに現地で新たな資料を収集する機会を得たため,これまでに構築したデータの整備も行っている。 今後は,本研究課題を完遂し,シンポジウムや論文という形で発表するとともに,フランス映画史におけるバレエの影響という観点を新たに導入し,本研究成果をより精密なものにする。また,「エスプリ・ヌーヴォー」が日本の芸術文化全般についてどのような影響を与えているのかについて,さらに検討,考察を加えて行きたい。
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