研究課題/領域番号 |
18K00496
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
丹羽 京子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90624114)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ベンガル語 / ベンガル文学 / 日本―ベンガル関係史 / 近現代 |
研究実績の概要 |
今年度の成果としては第一に日本語‐ベンガル語語彙集の作成が挙げられる。ベンガル語においては日本語との辞書がないことが学習者にとっての妨げとなっていたが、辞書作りの第一歩として日本語ーベンガル語の4000語程度の語彙集を作成した。特に作文に役立てるため、すべての語彙に例文を付した。日本語‐ベンガル語の語彙集を優先的に作成した理由は、従来学習者が使用しているBengali-English, English-Bengliの辞書のうち、English-Bengaliにより多くの不具合が認められるためである。この語彙集は完成後ベンガル語学習者に配布されている。この語彙集はいったん完成したが、関係各所にも配布し、修正の必要などの検討を行っている最中である。 成果の第二は、9月に行った「文化の翻訳、文学の翻訳~ベンガルから日本へ、日本からベンガルへ」と題するインターナショナル・ワークショップである。都合によりオンラインでの開催となったが、インド、バングラデシュ、そして日本の研究者が一堂に介して相互の翻訳や文化交流について発表およびディスカッションを行ったことの意義は大きかったと思われる。ワークショップ開催後、ディスカッションの成果も含めてそれぞれの参加者が論文を執筆し、リサーチペーパーとしてまとめることができた。なお、このワークショップはFINDAS(東京外国語大学南アジア研究センター)との共催であったため、リサーチペーパーもFINDASと共同で作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナにより当初予定していたセミナーが開催できなかったことなど予定より遅れている部分はあるものの、オンラインや在宅での作業を駆使しつつ可能な限りの作業を行った。その意味で、おおむね今年度予定していた作業を進めることができたと考えられる。 また来年度行う予定のインターナショナルセミナーの準備も進みつつある。
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今後の研究の推進方策 |
来年度(2022年度)はこの研究の最終年度として以下のプロジェクトを計画している。 1)本来2020年度に行う予定だったインターナショナル・セミナー「ベンガル文学の今」を今年度開催する。このセミナーではインド、バングラデシュ両国から第一線で活躍する詩人(兼研究者および作家)を招待し、東西二国に分かれて以降のベンガル文学について発表してもらう予定である。それにあわせて日本側からもベンガル文学の研究についての現状を発表してもらい、セミナー開催後には、セミナーでのディスカッションや質疑応答などを踏まえて参加者全員に論文を提出してもらい、成果としてまとめるつもりである。 2)前年度(2021年度)にいったん完成させた日本語‐ベンガル語語彙集を精査し、改訂する必要があれば第2版を作成する。さらにこれを基にベンガル語‐日本語語彙集を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に予定していたインターナショナル・セミナーがコロナにより開催できず、次年度(2022年度)に延期となったため、次年度使用額が生じた。インド、バングラデシュ両国から詩人(兼作家および研究者)を招待するための費用のほか、セミナー開催のための事務的な費用、開催後の論集作成などの経費を含んでいる。
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