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2020 年度 実施状況報告書

人間と動物の関係の多様性とその文学的表象の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00500
研究機関一橋大学

研究代表者

鵜飼 哲  一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (90213404)

研究分担者 F Bizet  東京大学, 教養学部, 准教授 (70383495)
呉 世宗  琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (90588237)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード動物 / 哲学 / 文学 / 政治 / ジェンダー / セクシュアリティ
研究実績の概要

本年度は新型コロナウイルスの世界的感染拡大のためオンライン開催となったが、2回の国際セミナーを開催した。
2020年11月17日には研究分担者のフランソワ・ビゼ(東京大学)の司会のもと、ベルギーの哲学者ヴァンシアヌ・デプレ氏(リエージュ大学)による講演「鳥たちとともに私たちの物語を脱テリトリー化する」を行った。講演はフランス語で行われ、森元庸介氏(東京大学)が通訳を務めた。デプレ氏の講演は動物行動学・鳥類研究の哲学的な読み直しを独創的な形で発展させたもので、人文科学と自然科学を横断する現代動物論の最先端の作業を開示するものだった。講演後、登録・聴講した多国籍の参加者、研究者及び学生から多くの質問が寄せられ活発な議論が行われた。
2021年2月6日には「軍事的暴力と動物」という総題で、研究分担者の呉世宗(琉球大学)の司会のもと、韓国の2名の研究者、日本本土と沖縄の各1名の講師が発表を行った。発表、討論とも、すべて日本語で行われた。第一発表者の申知瑛氏(延世大学・韓国)は「専有された労働の中での逃走―強制動員の労働(と難民労働)についての記録文学の中の動物との関係」と題した発表を行った。第二発表者の沈雅亭氏(独立研究活動家)は「性-種-資本-軍事システムと動物の場所ークィア的観点から奪還可能な未来を問う 」と題した発表を行った。第三発表者の新城郁夫氏(琉球大学)は「戦後沖縄文学なかの「蟹」- 媒介される身体について 」と題した発表を行った。第四発表者の鵜飼哲(一橋大学、研究代表者)は「「アジア的身体」と動物 ― 種と文化の境界で攻撃性を考える」と題した発表を行った。いずれも動物研究の新しい領域を切り開く意欲的な発表で、日本及び韓国から登録・聴講した参加者による質問を受けて活発な議論が行われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は当初の予定では当研究の最終年度となり二回の国際セミナーを開催したのち報告書の作成を行うべきところ、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のためにセミナーの開催が延期になったうえ、最終的にオンライン開催となった。最終セミナーが2月6日に開催されたが、年度末までに報告の文章化、報告書の作成に進むことは困難と判断したため、1年の延長申請を行うこととなった。

今後の研究の推進方策

4回のセミナーは終了し、残る作業は最終セミナーの文章化と報告書の作成である。昨年度の国際セミナーがオンライン開催となったため講師の旅費、滞在費の支出が不要となった。この余剰を報告書の単行本としての出版に充当する予定で、現在複数の出版社と交渉中である。早急に交渉をまとめて報告書の作成を開始する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の世界的拡大のため外国からの講師の招聘が不可能になり、セミナーがいずれもオンラインとなったため、講師の旅費、滞在費が支出されなかった。またセミナーが延期開催となったため報告書の作成を年度内に行うことができなかった。残額は研究者の図書費と報告書の単行本としての刊行に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会・シンポジウム開催] 鳥たちとともに私たちの物語を脱テリトリー化する2020

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公開日: 2021-12-27  

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