研究課題/領域番号 |
18K00509
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
波潟 剛 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (10432882)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 東アジアモダニズム |
研究実績の概要 |
「研究計画」に基づいて、2018年10月に開催された第6回東アジアと同時代日本文学フォーラムにおいて発表を行った(於:復旦大学)。全体テーマは「「レンタル」と近現代東アジア文化」であり、上海租借地との関わりを想定していたため、1940年代前半に2度上海に滞在した阿部知二を対象にして、彼のモダニズム小説にみられる異国趣味と、その後の北京、南洋、上海滞在での経験をふまえて執筆された小説群との関係について議論を行った(発表タイトル「阿部知二とエキゾティシズム―アフリカ、中国、南洋」)。また、上海で開催されたこの研究会をはじめ、日本国内での学会、韓国の研究者との学術交流、台湾訪問時における現地研究者との情報交換、アメリカにおける学会発表と議論などを通じて、東アジアモダニズム研究の課題を分析しつつ、2019年度以降開催予定の研究会について、個々に具体的な相談、調整を行うことが主となった。当該研究課題と関連して、台湾における異国趣味の問題についても分析を進め、また、昨年度までの成果を論文集として刊行するなど、今後に向けてさまざまな課題に取り組んでいる。さらには国際学会での発表に向けて申請を行い、すでに採択されたものもあるが、まだ準備段階のものが多いので、そうした成果を着実にかたちにすることを通して、次年度以降の研究を推進したい。東アジアモダニズムに関する研究ネットワークの構築は予定から遅れているので、今後早急に実現に向けて着手する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年中に開催を計画している東アジアモダニズム研究会について、当初よりも回数を減らし、規模・参加人数を増やす方向で軌道修正を図ったため、参加者の確定や調整に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づいて、研究を進め、随時発表・論文投稿を行うともに、研究プラットホーム作りにも具体的に着手して、研究会の開催とWebサイトの立ち上げに関する準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
東アジアモダニズムに関するネットワーク構築のための国際集会の開催を予定していたが、規模と開催時期を変更したため、2018年度以内には実施せず、2019年度の開催をあらためて計画している。
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