研究課題/領域番号 |
18K00509
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
波潟 剛 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (10432882)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 東アジア・モダニズム |
研究実績の概要 |
「研究計画」に基づき、東アジアのモダニズムに関する研究ネットワークを構築するため、2019年7月に九州大学において国際ワークショップを開催した。日本国内をはじめ、韓国、中国、台湾、アメリカ、カナダから、15名のモダニズム研究者を招聘し、それぞれの地域やジャンル(詩、小説、写真、映画など)に関する研究動向を相互に紹介してもらい、今後の課題や問題点を共有する貴重な機会となった。日本のモダニズムといっても、ジャンルによってどのような研究上の課題があるのか、日本国内と海外での研究にはどのような関心の違いがあるのかといった点や、各国文学としてではなく、東アジアという広い枠組みでモダニズムを考える必要性等を改めて認識できた。さらには狭義のモダニズムが形成された1920年代から1930年代の歴史的文脈を重視しつつも、現在進行しているグローバルな次元のモダニズム研究への理解も必要になるといった点を集中的に議論できた。こうした議論を通して、個々の研究者と今後の共同研究に関しても意見交換ができたので、さらに人的ネットワークの形成に努めていく。ワークショップの内容紹介や研究基盤を提供するための情報発信については準備が遅れているので、2020年度中には実現できるよう努力する。この他に、2019年8月には、マカオ大学で開催された国際比較文学会(ICLA)においてパネルの司会進行と発表を行った。林芙美子の『放浪記』に関する改稿の問題を、翻案という視点でとらえ発表を行い、戦後におけるモダニズムの連続性や断続性について議論することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際ワークショップ開催後、東アジア・モダニズムに関する情報発信を行うためのwebサイト立ち上げを予定し、準備してきたが、まだ実現には至っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
国際ワークショップでの成果を元に、さらに人的ネットワークを広げて研究集会等を企画するとともに、webサイトを立ち上げて情報発信に努める。加えて、これまで取り組んできた個々の研究課題を論文として公刊してゆく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際ワークショップの参加予定者が急遽来日キャンセルとなるなど、旅費に関して当初の予定と異なる内容となった。2020年度に関しては自らの出張に関しても、海外からの招聘に関しても、新型コロナウイルスの感染状況次第で計画を修正・変更する可能性があり、状況に応じて判断する。
|