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2023 年度 実績報告書

中国壮族の掛け合い歌におけるオラリティとリテラシー

研究課題

研究課題/領域番号 18K00514
研究機関京都先端科学大学

研究代表者

手塚 恵子  京都先端科学大学, 人文学部, 教授 (60263183)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード壮族 / 中華人民共和国 / 口承文芸 / オラリティ / リテラシー / 掛け合い歌 / 方塊字 / 古壮字
研究実績の概要

『声の文化と文字の文化』においてオングは、口頭構成法理論やA・R・ルリアの論考などに基づき、表現や思考が声にもとづいて組み立てられている世界と、それらが文字によって組み立てられている世界では、人間の思考と表現のあり方が大きく異なっていることを明らかにした。現在では、人間の思考のあり方に関しては、オング説は必ずしも賛意を得ていない。その一方で英雄叙事詩や語り物の表現においては、リテラシーには見られないオラリティ特有のものが見いだされ、両者の間の不可逆的な断層の存在が肯定されている。
本研究の目的は、口頭構成法以外の方法で作られた口承文芸に、リテラシーと明確に分立するオラリティが存在するか、あるとすればそれはどのようなものかを探求することであり、その目的を達成するために、中国の広西壮族自治区に居住する壮族の口承文芸である掛け合い歌(フォン)を対象にして、事例研究を行うものである。事例研究では焦点を「武鳴県の壮族のフォンの修辞表現の差異が方塊字(伝統的な壮語の書き言葉)の識字の有無に関連しているか」に絞った。
2023年度は①広西壮族自治区武鳴県において過去に収集し、ノートに記述した掛け合い歌6000首について、昨年度に引き続き、歌い手ごとに歌を整理した。② ①のうち、400首(6冊のノート分)について、現代壮語(アルファベット表記)、方塊字(壮語の書き言葉)、現代中国語を用いてテキスト化し、さらに電子データ化を行った。③壮族の掛け合い歌をシャーマニズムの観点から分析した学会発表を1回行い、さらにそれを論文として学会誌に掲載した。
この他、研究期間全体では、広西壮族自治区武鳴県において、フォンの歌い手から方塊字と漢字に識字状況について聞き書きをおこなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ヤーキン 霊が人とうたの掛け合いをする遊び2024

    • 著者名/発表者名
      手塚恵子
    • 雑誌名

      アジア民族文化研究

      巻: 23 ページ: 69-71

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 私たちが出会ったシャーマニズム チュアン族のシャーマニズム2023

    • 著者名/発表者名
      手塚恵子
    • 学会等名
      アジア民族文化学会 第46回(2023年度秋季)大会
    • 招待講演
  • [備考] 口承文芸 掛け合い歌DB

    • URL

      https://sam-nied-sam.com/

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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