研究成果の概要 |
本研究は、以下の2つの現象に関して、ラベル付け方略に基づく、より原理的な説明を試みているものである。 (1)日本語にはスクランブリングがあるが、一方で、非顕在的な統語移動である数量詞繰り上げが起こりづらい(Kuroda 1965, Hoji 1985, Lasnik and Saito 1992など)。(2)それとは対照的に、英語は語順制限が厳しい一方で、数量詞繰り上げができる(May 1985など)。こうした違いを、両言語における数量詞表現語彙の形態統語的特徴の違い及び、PFインターフェイスに対するラベリングのプロセスの違いから、自然と導き出せることを示した。
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