研究実績の概要 |
本年度はコロナ禍にあり、予定していたアラスカでの現地調査は延期になってしまった。しかし、できるだけメールやネットを通じてインフォーマントとコミュニケーションするように心がけた。その上で、今年度は主に研究論文2本を執筆した。 (i) Cross-Indexing View からみた中央アラスカ・ユピック語の人称接辞に関する一考察 『時空と認知の言語学X』pp.31-40 (ii) 使用依拠モデルに基づく言語観 『認知言語学の基礎(認知日本語学講座 第1巻)』pp.197-265 また、研究テーマと関わる書評を日本英文学会の雑誌に執筆した。 (iii)(書評)Demonstratives in Cross-Linguistic Perspective (by Stephen Levinson et al) 『英文学研究 98』pp. 166-171. ユピック語の指示詞等は地形が関わって来るためやはり現地でインフォーマントと共に調査する必要性がある。書評論文を通じて得た知識を研究に応用するために来年は現地調査を行いたいと考える。また、一般書に、フィールドワーク体験を寄稿した。(iv)(エッセイ)英語ではbrother で兄も弟も表せますが、世界にはどのような親族名称パターンがあるでしょうか? 『眠れなくなるほど面白いことばの世界(国立国語研究所編)』幻冬舎新書, pp.128-134. 研究に様子等を一般の方にも紹介する機会となり大変良かったと考えている。また、最後に今までのフィールドワーク体験を通じて、言語記述の重要性を伝えるために、音声記述の入門書を翻訳した。(v)母音と子音 : 音声学の世界に踏み出そう (翻訳書) Ladefoged, Peter, Disner, Sandra Ferrari, 田村, 幸誠, 貞光, 宮城 (担当:共訳)
|