研究課題/領域番号 |
18K00535
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田野村 忠温 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40207204)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 近代日中語彙交流 / 日中初期英語学習史 / 歴史的資料アーカイブ |
研究実績の概要 |
近年利用可能になった各種の歴史的資料アーカイブおよび最近影印出版されて利用可能になった歴史的資料を用いていくつかの研究に取り組んだ。 近代日中語彙交流の分野では、まず語誌の研究としては、日中両語における日本語の名称の歴史、および、日中両語(特に日本語)におけるドイツ国名の歴史に関する考察をそれぞれ講演、研究発表の形で披露するとともに、いずれも論文化して発表した。語誌以外の研究としては、19世紀中国の英語関係の出版物が日本人の英語学習に与えた影響について述べた論文、言語研究資料としての近代中国地理文献彙集の信頼性を論じた論文、福沢諭吉の『増訂華英通語』の解釈に関わる俗説を正し、関連の問題を考察した論文を発表した。ほかに、中国語におけるコーヒーの名称の歴史およびカレーの名称の歴史を考察した論文を執筆した。これらはいずれも2021年度に出版する。 中国英語学習史の分野では、17世紀に編まれた中国初の英語語彙集である『英吉利国訳語』の編纂者と編纂過程に関する考察を研究発表し、その後論文化した。これは2021年度に出版する。 その他、「日本語学」およびその関連語の意味と構造の変化を論じた論文や、いわゆる和製英語の概念と研究をめぐる考察を述べた論文などを発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の見通しよりもはるかに多様かつ多数の考察を行い、その結果をすべて論文化することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今までの研究を発展させるとともに、新しい課題の可能性を模索するという方法によって研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月に開催が予定されていた2件の国際会議が新型コロナウイルスの流行のために中止、延期となった。
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