研究課題/領域番号 |
18K00535
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田野村 忠温 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40207204)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 近代日中語彙交流 / 日中初期外国語学習史 / 歴史的資料アーカイブ |
研究実績の概要 |
近年利用可能になった各種の歴史的資料の電子アーカイブおよび最近影印出版されて利用可能になった歴史的資料を用いていくつかの研究に取り組んだ。 近代日中言語交流の分野では、日本語の日本語の漢語の文法的特異性とその中国語への影響について考察し、両語間の相互影響が語彙のみならず文法においても認められることを論じ、その事例研究として「設計」という語の語史を明らかにした論文を発表した(『大阪大学大学院文学研究科紀要』第62巻に掲載)。また、関連する派生的な考察として、「化石」および「接種」について考察し、その語史を明らかにした論文をそれぞれ発表した(『国語語彙史の研究 四十』、『阪大日本語研究』34に掲載)。 また、初期外国語学習史の分野では、清代中国の欧州諸言語の辞書、学習書における注音の方式について考察し、論文として発表した(孫伯君・麻暁芳主編『“訳音対勘”的材料与方法』に掲載)。加えて、注音や音訳に使われる漢字に添えられる口偏の機能について学界の誤った見解を論じた論文を出版した(『或問』第40号)。ほかに、学界であやふやに使われている音訳の概念を抜本的に再考し、口頭発表の形で披露した(関西大学東西学術研究所研究例会(言語交渉研究班)「荒川清秀氏追悼 近代言語接触研究シンポジウム」)。翌年度に論文として出版する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って研究に取り組み、5編の論文を出版することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今までの研究を発展させるとともに、新しい課題の可能性を模索するという方法によって研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
外国出張を行えない目下の社会状況および個人的な事情により予算をあまり使用することができなかった。
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