研究課題
基盤研究(C)
生成文法理論における極小主義プログラムの最新提案では、唯一の統語構造構築操作として「大併合」操作が議論されているが、その定義は未だ厳密さを欠き漠然としている。そこで本研究では「大併合」操作の厳密な定義付けを試み、提案の誘発要因となった様々な現象を経験的に精査した。その結果、「大併合」操作自体にではなく、「大併合」操作により変更が加えられる統語体のアクセス可能性判定条件に漠然性が残ることが判明した。
言語学、情報科学、認知科学
生成文法理論における極小主義プログラムでは、生物種としてヒトのみが遺伝的に言語機能を持ち、適切な言語環境刺激の基、自然法則に従って高度な言語能力を持つに至ると仮定するが、その言語能力に最低限で唯一必要な統語構造構築操作として「大併合」操作が提案されているが、学術的意義として厳密な定義付けを行い、更なる暗黙の前提を炙り出し、経験的現象の分析に対する足掛かりの一部を提供したことになる。