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2021 年度 実績報告書

WH演算子の特性とその内的併合に関する統語論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00553
研究機関愛知大学

研究代表者

北尾 泰幸  愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90454313)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードit 分裂文 / 凍結原理 / 基準凍結 / wh 移動 / 再構築効果・連結性 / 代入構造 / 付加構造 / 関係節
研究実績の概要

最終年度である令和 3 年度は、英語の it 分裂文を中心に、その焦点句形成における語用論的側面を検証するとともに、統語的側面に関して凍結原理・基準凍結に絡む研究を進めた。本研究の一部は、日本英文学会中部支部第 73 回大会シンポジウムで発表した。

平成 30 年度から令和 3 年度までの 4 年間の本研究については(コロナ禍による 1 年の延長を含む)、前半は関係節の統語派生から WH 演算子の内的併合に関する特性を検証し、後半は it 分裂文の焦点句からの wh 句部分摘出を中心に凍結原理・基準凍結の駆動の有無を分析することにより、WH 演算子の移動特性について検証した。
関係節については、とりわけ日本語関係節に焦点を当て、再構築効果・連結性など派生に統語的移動が関与する言語データがある一方で、フェイズを超えて関係節主要部とθ位置が関係を結べることから統語的移動が関与していないように見える統語特性があることを検証し、この特異な統語特性は、関係節が主要部上昇移動を含む「代入構造」の派生を行い、かつ空代名詞 pro を残して移動する再述代名詞残留が可能であるためであると結論づけ、その理論的帰結を探った。
it 分裂文については、焦点句の範疇によって、焦点句からの wh 句部分摘出が許される場合と許されない場合があることを検証し、その派生の差が何に起因するかを探究した。移動した要素が移動のための基準を満たしたとき、その要素からの更なる移動は許されないことを規定したのが「凍結原理・基準凍結」であるが、この原理の駆動の有無が生じるのは、部分摘出が許される焦点句が名詞句(DP, NP)の it 分裂文は代入構造に基づいて派生され、部分摘出が許されない焦点句が前置詞句(PP)の it 分裂文は付加構造に基づいて派生されるためであると結論づけ、その妥当性を理論面・経験面から検証した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 談話と統語構造―it-cleft 分裂文の派生―2022

    • 著者名/発表者名
      北尾 泰幸
    • 雑誌名

      日本英文学会中部支部第 73 回大会プロシーディングス

      巻: 73 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 発話行為と統語現象のインターフェース2021

    • 著者名/発表者名
      北尾 泰幸・森田 久司・川原 功司・前澤 大樹
    • 学会等名
      日本英文学会中部支部第 73 回大会

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公開日: 2022-12-28  

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