研究課題/領域番号 |
18K00554
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
内田 慶市 関西大学, 外国語学部, 教授 (60115293)
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研究分担者 |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
奥村 佳代子 関西大学, 外国語学部, 教授 (10368194)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中国語ドチリナキリシタン / 南京官話 / 華英通語 / 北京官話 / キリスト教 |
研究実績の概要 |
今年度は本課題に関する研究として、南京官話版と思われる中国語ドチリナキリシタンの影印と解題を付して出版した他、ローマ大学で開催された国際シンポジウムでも関係論文の発表を行った。研究分担者も着実に成果を発表している。 研究実績を列挙しておくと、『南京官話資料集-《拉丁語南京語詞典》他二種』(関西大学出版部、2020年3月31日、488頁)、『『華英通語』四種-解題と影印』(田野村忠温氏との共編著、関西大学出版部、2020年3月25日、661頁)、『言語接触研究の最前線(東西学術研究所研究叢書第8号、言語接触研究班)』(ユニウス、2020年2月29日、133頁)の三冊の著書を出版した他、研究分担者の奥村は「『北京官話全編』の時代性と地域性~教科書としてのあり方をめぐって~」(『言語接触研究の最前線』(関西大学東西学術研究所研究叢書第八号)、関西大学出版部、83-101頁、2020年2月)、「白話小説になった日本文学」『漢学という視座』(講座 近代日本と漢学 第一巻・戎光祥出版・169-176頁、2019年12月)を、塩山は、「關於西洋學者對漢語介詞的分析」(2019年5月12日 東アジア文化交渉学会第11回年次大会、ドイツ・エアランゲン大学)、「基督教問答書的文體」(2019年10月20日、語言接觸與文化變遷國際學術研討會、北京外国語大学)などの研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度も実績欄で示したように確実な研究成果を上げてきたが、デジタルアーカイブについても関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)の近代漢語文献データベース(http://www.ctext.ku-orcas.kansai-u.ac.jp:8439/gxproject/)や関西大学東アジアデジタルアーカイブ(https://www.iiif.ku-orcas.kansai-u.ac.jp/books/about)に多くのテキストのデジタル化や電子テキスト化を実現してきている。 また、この関係については、研究代表者が「東アジア文献のデジタル化における諸問題―言語研究の立場から」(山東大学漢学研究センター、2019年12月23日)、「東アジア文献資料のデジタルアーカイブスの現状とKU-ORCASの目指すもの」(日本中国学会・KU-ORCAS共催講演会、2019年10月13日、関西大学)、「東アジア文献アーカイブの現状と課題」(第十一回東アジア文化交渉学会、2019年5月10日、ドイツ・エアランゲン大学)などの研究発表を行ってきた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本研究課題の最終年の年度であり、総まとめを考えている。先ず、これまで通り、中国語版ドチリナキリシタンの各種版本の検討とそのデジタル化を行っていきたい。デジタル化の中身としては、画像を撮影することの他に、テキスト化が必須となるが、これに関してはマンパワーが必要になるとことであり、アルバイトを活用していきたいと思っている。また、研究総括を兼ねた小規模な国際シンポジウムを出来ればローマ大学との共催という形でローマで開催したいと考えている。また、最終的には、この3年の研究成果を研究報告書としてまとめて、今後の研究の新たな出発点としていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予定していた国際シンポジウムが種々の理由により開催が出来なかったこと、また、支払予定の大型の書籍購入が、相手方(中国)の銀行受け取りがうまくいかなかったことで次年度回しになったこと、また出版予定の中間研究報告書が新型コロナウィルスの蔓延により、これも次年度に繰り越しになったなどにより。次年度繰越使用額が生じた。 次年度は、最終年度であるので、先ず、繰り越しの経費を精算した上で、最終の研究に邁進していく所存である。
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