本研究の研究目的は (i)実験的手法及び(ii)質問紙の両方から言語発達遅滞児の語彙獲得プロセスについて明らかにし、健常児のデータと比較して言語発達遅滞児の語彙獲得の特質を解明することである。(i)実験的手法ではパペットを使用した選好注視法の動画を見せ、幼児が新奇語に物、あるいは動作のどちらの意味 を付加するかを探る。(ii)質問紙では、精神年齢を計算するためのKIDS乳幼児発達スケールタイプT及び言語発達レベルを測定するための日本語マッカーサー乳幼児言語発達質問紙を保護者に記入してもらう。 今年度の研究では査読付き論文の出版にあたり、追加実験を実行した。6歳児のデータを集めるために(1)対象児及び協力校の追加募集、日時の調整(2)保護者、本人からの同意書収集(3)2種の質問紙の実施(4)選好注視法の新奇名詞実験の実施 (5)コード化と分析の実施を行い、この追加研究では関西圏の保育園及びダウン症親の会に協力を依頼して、データを入手することができた。
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