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2022 年度 実績報告書

日本手話における空項に関する統語研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00576
研究機関山口大学

研究代表者

上田 由紀子  山口大学, 人文学部, 教授 (90447194)

研究分担者 藤巻 一真  神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (60645985)
内堀 朝子  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70366566)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード日本手話 / 空目的語 / 項削除 / VP削除 / 統語構造
研究実績の概要

R4年度(延長)では,補足調査および収集したデータをより効率的に検索できるシステムについて検討した。また,国内学会(日本言語学会 R4年6月18日)にて研究成果を発表した。
本研究課題期間全体の目的は以下の3点であった。(i) 日本手話のネイティブサイナーの言語知識の一部を日本手話における空項の指示現象から明らかにすること。 (ii) 本研究の成果を日本手話の「音形を持つ指示表現」の言語的記述研究へも還元すること。(iii) 日本手話からの知見が言語教育および言語理論の発展 に寄与することを,正式な形で社会に発信すること。
上記(i)に関し,ネイティブサイナーとの協働調査の下,基礎データの収集・観察として、主にRSを含まない環境における削除現象を扱った。音声言語の空目的語文の分析としては,目的語(項)のみが削除されているとする「項削除分析」,項よりも大きい範囲(VP)を削除しているとする「VP 削除分析」等があるが,本研究では,日本手話における空目的語文は,動詞が語彙動詞の場合は,項削除が、動詞が助動詞(代動詞)的動詞「やる」の場合は、VP削除が生じていることを明らかにした。この帰結として,日本手話の語彙動詞は、Vの主要部移動は生じていないことが示唆されることを示した。日本手話の空目的語現象に関し、項削除分析の妥当性を示した研究成果は初出である点で意義ある成果と言える。上記(ii)に関しては,音形のある指示表現として文末指さし(PT)の指示性に関しての議論を行った。上記(iii)に関しては、研究成果を国内学会(日本言語学会 R3年6月、R4 年6月、日本英文学会R3年5月)で発表し,研究成果の一部を刊行した(R3年3月、R5年2月)。また,慶應言語学コロキアム(令和3年3月20日)を開催し,ろうの研究者および参加者と共にお互いの研究の成果を公開した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 文末指さし2023

    • 著者名/発表者名
      内堀朝子・今西祐介・上田由紀子
    • 雑誌名

      『手話言語学のトピック:基礎から最前線へ』

      巻: ー ページ: 113-144

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本手話(愛媛方言)における接続詞としての非手話表現(NMM)について2022

    • 著者名/発表者名
      上田由紀子・内堀朝子
    • 学会等名
      日本言語学会
  • [学会発表] 日本手話(愛媛方言)に見られるいわゆる等位接続構造制約違反について2022

    • 著者名/発表者名
      内堀朝子・上田由紀子
    • 学会等名
      日本言語学会
  • [図書] 手話言語学のトピック:基礎から最前線へ2023

    • 著者名/発表者名
      松岡和美・内堀朝子(編)
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      978-4874249284

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公開日: 2023-12-25  

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