| 研究課題/領域番号 |
18K00585
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
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研究代表者 |
榮谷 温子 慶應義塾大学, 言語文化研究所(三田), 講師(非常勤) (30376826)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | アラビア語 / 文法学 / 主語 / 総称指示 / 限定 / 特定 / 人称代名詞 |
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| 研究実績の概要 |
2018年にケンブリッジ大学で開催された the Foundations of Arabic Linguistics の第5回会議での発表内容を論文 "On Interpretation of the Pronoun huwa in 112/1 of the Qur'an: Tafsir and Grammar" にまとめた。Brill社から2022年度中に刊行される予定の会議録に掲載される予定で、既に初校を返送し終えている。
2021年10月には、日本オリエント学会の大会にて、「アラビア語文法における一般化と限定や種との関係」の題目で口頭発表をおこなった。この発表においては、主に、名詞文主語が非限定の場合についてのアラビア語文法書の記述を検討し、「特定」の対概念である「一般」という用語の使用の変遷を明らかにした。さらに一般化と限定との関連、種(jins)の概念との関わりを考察した。すなわち、一般化は総称指示（種の指示）と非限定との中間的存在と捉えられようが、種を示す名詞句の扱いでは、総称指示と不特定指示が混同されがちだったことを指摘した。「種」の概念と「一般」の用語の使用との関連は、さらに検討が必要だが、両者の連関は蓋然性のあるものと考えられる。
なお、2020年度に慶應義塾大学にて開催の予定されていた、the Foundations of Arabic Linguistics の第6回会議は、新型コロナウイルス蔓延のため、2021年度への延期を予定していたが、状況の改善が見られず、さらなる延期を余儀なくされた。しかし、2022年度における開催を目指して、2021年度末より発表要旨の募集や会場の手配などを始めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」で述べたとおり、本プロジェクト最大の目的と言っても過言ではなかった、the Foundations of Arabic Linguistics の第6回会議が、新型コロナウイルス蔓延のため、再び延期を余儀なくされたため。Zoom によるオンライン開催も検討されたが、各国のメンバーが、対面での開催を希望したため、2022年度に延期して開催することとなった。
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| 今後の研究の推進方策 |
アラビア語の限定・非限定について、アラビア語文法学の文献における、名詞文の主語に関する記述を分析して考察を続け、限定と関連の深い概念である「特定性」と「一般性」のうち、特に「一般性」について、アラビア語文法学史をたどって、その定義や記述の変遷を明らかにする。これに深く関連するのが、総称指示と不特定指示の混同という問題である。「種を表す固有名詞」に関する記述に、その一部を垣間見ることができる。この問題をさらに分析し、「一般化」と「種」の概念の関係を明らかにし整理する。さらには「一般化」と「限定化」の関係を明らかにしていく。
そして、2022年度には、the Foundations of Arabic Linguistics の第6回会議を東京にて開催し、研究成果を発表する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由： 新型コロナの蔓延により、予定していた海外調査を行うことができず、また国内学会もオンライン開催となってしまい、旅費がまったくかからなかった。また、予定していた国際学会すなわち the Foundations of Arabic Linguistics の第6回会議も開催することができず、会議費用がまったくかからなかった。
使用計画： 主に、the Foundations of Arabic Linguistics の第6回会議の開催費用とする予定。
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