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2022 年度 実績報告書

言語理解における処理負荷の要因と抑制機能の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K00587
研究機関成城大学

研究代表者

新井 学  成城大学, 経済学部, 准教授 (20568860)

研究分担者 馬塚 れい子  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (00392126) [辞退]
大石 衡聴  立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (40469896)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード眼球運動測定 / 視覚世界パラダイム / 事象関連電位 / 実行機能 / 干渉抑制 / ガーデンパス文 / 意味逸脱
研究実績の概要

最終年度までコロナウイルス感染症の影響で実験の実行が遅れていたが、昨年度は本研究計画で提案されていた最後の実験として、事象関連電位測定実験を遂行した。これにより本研究計画で予定されていた成人を対象とした読みの眼球運動測定実験、子供を対象とした視覚世界パラダイムを用いた眼球運動測定実験、そしてこの事象関連電位測定実験の全てを実行することができた。事象関連電位測定実験の結果として、動詞の下位範疇化情報に違反することで解釈が成立しない条件(「男性が最高級のワインを歩いていた」)と、上記の違反はないが、意味的な選択制限に違反することで非整合的な解釈しか成り立たない条件(「男性が最高級のワインをくすぐっていた」)では、ベースライン条件(「男性が最高級のワインを飲んでいた」)と比較して、意味的逸脱と統語的逸脱をそれぞれ反映すると考えられている二つの指標(N400とP600)の反応が有意に大きかった。予想に反してこの二つの条件間で二つの指標の大きさに差は見られなかった。現在この結果の解釈について過去研究に照らし合わせて考察中であり、学会での結果報告を通して論文にまとめて投稿することを計画している。先に行った成人を対象とした眼球運動測定実験の結果は、論文にまとめてすでに投稿済みである。また、子供を対象とした視覚世界パラダイムを用いた眼球運動測定実験に関しては被験者間のばらつきが成人に比べ非常に大きかったことからデータの分析に時間がかかり、現在論文にまとめている段階である。研究期間全体を通して、感染症の影響で対人の実験を行うことができなかった期間が約3年あったにも関わらず、研究計画に含まれた実験計画は全て遂行することができ、学内外の学会および学術雑誌に研究結果を発表できたことで一定の成果を挙げることができたと言える。今後は速やかに残りの論文2編をまとめ国内外の学術雑誌に投稿することを目指す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 構造的曖昧文の理解における意味的整合性と解釈成立可能性の影響2023

    • 著者名/発表者名
      新井学
    • 雑誌名

      成城大学経済研究

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] 第二言語習得における予測エラーの役割2022

    • 著者名/発表者名
      新井学
    • 雑誌名

      Second Language

      巻: 21 ページ: 89-113

    • DOI

      10.11431/secondlanguage.21.0_89

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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