研究課題/領域番号 |
18K00593
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
崎田 智子 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (10329956)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 認知言語学 / 対話統語論 / イントネーションユニット / 間主観性 / スタンス / 対話性 / 認知語用論 / 伝達 |
研究実績の概要 |
本研究は、対話性を基盤にして言語の創発性にアプローチすることで伝達言語の発話構築と認知のメカニズムを解明することを目指すものである。自然な会話におけるイントネーションユニットと認知の制約、情報の流れ、スタンス、間主観性について分析を進めた。 認知言語学と対話統語論を統合し、自然に出現する対話における談話の展開について分析した。本年度は、第一に、イントネーションユニット(Chafe 1994)と発話の出現(Du Bois 2013)の観点から、Langackerの認知モデル(2008)を改良して談話構造構築の図式化に取り組んだ。特に、アメリカ英語の自然な相互作用データを収集したものをイントネーションユニット(IU)のシステムでトランスクライブして分析した。一貫性をもって結合されている一連の発話の流れに沿って連続したIUを積み重ね、談話空間が一連のIUによって更新されるメカニズムを認知モデルを用いて明示した。イントネーションユニットや「given/accessible/new」情報に基づくダイナミックな性質に沿って談話展開を認知モデルで図式する際に、対話的特徴のうちいくつかの特定の性質がモデルに明示困難であることが明らかになったため、その不足点と原因を探究した。第二に、対人関係的特徴と相互作用的特徴を統合して対話を分析することで、談話構築の流れに不可欠なスタンス交渉と認識論的認知を明らかにした。また、対話の相互作用において重要な要因である間主観性を言語の対話的性質に基づいて再定義した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集がコロナ禍で遅れていたため、データ収集を行い、データ分析を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度として研究総括を行い、成果報告をまとめ発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため前々年度に研究に遅れが生じたいたため、昨年度と本年度で研究を進めた。このため、成果発表までに至っていない部分について、成果発表に関わる経費の支出減が生じた。次年度にこれを執り行う計画である。
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