研究課題/領域番号 |
18K00594
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
大西 正幸 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (10299711)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ベンガル語 / 音象徴システム / 表出語 / 文学作品コーパス / 南アジア言語学 |
研究実績の概要 |
本研究は、ベンガル語の音象徴システムを代表する表出語の包括的なコーパスの構築、表出語辞典の作成、およびベンガル語の音象徴システム全般に関する英語論文の執筆を目指している。 令和1年度は、代表者大西と、インド在の2名のベンガル人研究協力者DattaおよびSamaddarによる、iCloudを通じてのデータ入力作業を進めた。DattaおよびSamaddarはベンガル語―ベンガル語辞典からの入力作業、代表者大西はベンガル語近現代文学からの入力作業を担当した。 令和1年9月には、Badenoch and Osada (2019) において、大西とDattaの共著により、辞書本体におけるベンガル語標準方言とジャールカンド方言の表出語データ執筆(英文)を担当、またムンダ語との比較分析による小論(和文「ムンダ語との比較による標準ベンガル語とジャルカンド方言のexpressive」)を出版した。 さらに、大西とDattaの共著論文(Morphology and phonosemantics of Bangla expressives)、および研究協力者Pabitra Sarkarの論文(The aesthetic use of Bangla expressives)の原稿を、オランダのBrill Publishersに提出した。これらはNathan and Choski (eds) の章として、令和2年後半に出版予定である。 これらの成果を執筆する過程で、大西は、研究協力者のBadenoch, Datta, Sarkar と頻繁に議論を重ねながら、令和2年度のデータ入力作業に向けて、入力データの選定と分析の方法論を検討した。コロナ・ウイルス感染拡大により、データ入力作業に遅滞が生じているため、令和2年度はこの作業に重点を置く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
成果発表は順調に進んでいる。令和1年9月に出版された、Badenoch and Osada (2019) における、大西・Datta共著のベンガル語標準方言およびジャールカンド方言の表出語データ執筆およびムンダ語との比較分析、およびBrill Publishers で今年度後半出版予定の Nathan and Choski (eds) における、大西・Datta共著論文とSarkarの論文の執筆である。 その一方で、コロナ・ウイルスの感染拡大等により、大西とDattaは、年度末に予定していた日本でのミーティングをキャンセルせざるを得なくなった。また、インドでのネット接続が不安定で、データ入力や相互のコミュニケーションに、さまざまな不都合が生じている。その結果、データ入力とその解析作業に遅滞が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、入力作業に一層の力を注ぎ、特に文学作品コーパスの構築と分析を中心に研究を進める予定である。 また、コロナ・ウイルス感染の収束状況に応じて、令和2年度ないし最終年度に、インドないし日本で、研究協力者とのミーティング、学会での成果発表及び成果出版を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和1年度末に、日本で、大西とDattaが、これまでに収集されたデータ分析と今後の方針についての打ち合わせを行う予定であったが、コロナ・ウイルス感染の拡大によりキャンセルせざるを得なくなった。そのため出張経費分が令和2年度に持ち越されることとなった。コロナ拡大が収まった時点で、改めて打ち合わせを行いたい。 今後はデータ入力およびその編集と公表に力を注ぐとともに、学会ないし研究会での成果発表および出版に、助成金を重点的に配分する予定である。
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