研究課題/領域番号 |
18K00594
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
大西 正幸 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (10299711)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ベンガル語 / 音象徴システム / 表出語 / 文学作品コーパス / 南アジア言語学 |
研究実績の概要 |
本研究は、ベンガル語の音象徴システムを代表する表出語の包括的なコーパスの構築、表出語辞典の作成、およびベンガル語の音象徴システム全般に関する英語論文の執筆を目指している。 令和3年度は、前年に引き続き、おもに代表者大西が、iCloudを通じて、ベンガル語―ベンガル語辞典およびベンガル語近現代文学からの入力と、その編集を行った。ただ、コロナ・ウイルス感染の影響により、依然として、ベンガル人研究協力者のデータの入力・編集作業に遅滞が生じている。当面、コーパス構築作業を可能な限り進めながら、成果公開のための自前のWebpage作成をめざす。 英語での出版成果の出版は続いており、令和3年度も大西の共著論文がIndian Linguistics に掲載された。 このほか、大西は、令和2年10月より、めこん社のウェブサイト上でベンガル文学の翻訳連載を行なっており、現在12回目までの掲載を終えている。(https://bengaliterature.blog.fc2.com//) また令和3年5月からは、日印文化交流ネットワークのウェブサイトでもタゴールの回想記を連載中で、現在17回目の掲載を終えている。(https://tsunagaruindia.com/)このタゴールの回想記は、インド独立75周年・日印国交70周年記念出版として、一部インド外務省の援助を受け、めこん社より令和4年7月に出版の予定である。 なお、令和4年4月に入って渡航状況は徐々に改善されてきており、令和4年度中に、現地ないし日本で、研究協力者とのミーティングや成果発表の学会開催が可能になることが期待される。それが理由で、研究期間を1年延長した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 成果発表は順調に進んでいる。令和2年度のNathan and Choski (eds) における大西・Datta共著論文とSarkarの論文の出版に続き、令和3年度も大西の共著論文がIndian Linguistics に掲載された。また、2つのウェブサイト上で大西のベンガル文学翻訳の連載が進んでおり、その一つは、一部インド外務省の援助により、令和4年度中の出版が決まっている。 ただその一方で、コロナ・ウイルス感染が収束せず、インド研究協力者のデータ入力や代表・研究協力者間のコミュニケーションの不都合が続いている。特に、協力者Dattaのパソコンが不調で、それに代わる新しいパソコンの手配をしたいが、その手配に支障をきたしている。また、日本ないしインドでのミーティングや学会も、開催することができなかった。大西は令和3年11月に「Kolkata Literary Meet 2022」(Tata Steel Company主催、インド文化省後援)の招聘を受けたが、これもオミクロン株の影響で渡航をキャンセルせざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、入力作業を引き続き行い、特に文学作品コーパスの構築と分析を中心に研究を進めるいっぽう、成果公開のための自前のWebpage作成をめざす。また、英語・日本語による成果出版にも、引き続き力を注ぐ。 コロナ・ウイルス感染の収束が実現して渡航状況が改善すれば、インドないし日本で、研究協力者との間のミーティングや学会での成果発表を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度中に、日本ないしインドで、大西と研究協力者が、ミーティングおよび学会での成果発表を行う予定であったが、コロナ・ウイルス感染が収束せず渡航が困難だったのが理由でキャンセルせざるを得なくなった。そのため出張経費分が令和4年度に持ち越されることとなった。令和4年度中にコロナが収束すれば、ミーティングおよび成果発表を行いたい。 今後はデータ入力およびその編集と公表に力を注ぐとともに、学会ないし研究会での成果発表、ウェブ上でのデータ公開等に、助成金を重点的に配分する予定である。
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