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2023 年度 実績報告書

日本語の母音無声化における心内処理に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00601
研究機関東京学芸大学

研究代表者

吉田 夏也  東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (60316320)

研究分担者 北原 真冬  上智大学, 外国語学部, 教授 (00343301)
白勢 彩子  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00391988)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード無声化 / 心内処理 / 視線計測
研究実績の概要

本研究の目的は、母音の無声化が言語の心内処理過程において、どの段階でおこなわれているかを知ることである。2018年度~2019年度におこなった実験では、無声化が心内辞書には記載されずに音声処理過程の後段階で発生している可能性が示唆された。
この仮説をさらに詳しく調べるために、2020年度から視線計測装置を導入した。レスポンスボックスによる反応時間の取得は、心内処理に必要な時間を計測する手段としては有効である。しかし、この方法では処理にかかる総時間の違いが計測できるだけで、どのタイミングで処理に時間がかかっているかを調べるためには、必ずしも有効な手段とは言えない。
視線計測装置を使用すると、視線が画面上のどこをあるかをリアルタイムに計測することで、処理の所要時間がどのように変化しているかを可視化・数値化することができる。本研究の実験では、無声化に関して対応している画像と無声化とは対応せず矛盾している画像をPC画面に提示して、画面上での視線軌跡の時間変化を調べている。これによって、話者が音声刺激のどの段階で無声化の有無を判断しているかを明らかにすることができる。今年度は、2022年度に採取できた十数名分の実験データを分析するために、独自の解析プログラムを作成した。このプログラムを使用して視線軌跡の時間変化を分析した結果、典型的な無声化環境で母音が無声化しない音声と、逆に典型的な有声音環境で母音が無声化する音声では、視線軌跡に違いがあった。すなわち、前者では目標画像にも競合画像にも同じ程度で視線が配分されていたのに対して、後者では時間の経過にともない目標画像のみに視線が集中する傾向が見られた。この結果は、無声化母音が心内辞書に記載されていないという観察結果を裏付けるものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 日本語無声化母音の心内処理2024

    • 著者名/発表者名
      吉田夏也,北原真冬,白勢彩子
    • 学会等名
      上智大学音声学研究室 科研費研究報告会
  • [学会発表] 母音無声化におけるミスマッチ刺激の非対称性:視線計測を利用して2023

    • 著者名/発表者名
      吉田夏也,北原真冬,白勢彩子
    • 学会等名
      日本音声学会全国大会

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公開日: 2024-12-25  

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