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2019 年度 実施状況報告書

近世の文芸作品に見られるオノマトペー浄瑠璃・歌舞伎脚本を対象にー

研究課題

研究課題/領域番号 18K00617
研究機関佐賀大学

研究代表者

中里 理子  佐賀大学, 教育学部, 教授 (90313577)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード近世の浄瑠璃作品 / オノマトペ / 近松門左衛門以後 / 漢語と和語
研究実績の概要

2019年度は、2018年度に収集していた近松門左衛門のオノマトペのデータを、世話物浄瑠璃と時代物浄瑠璃に分けて整理し、そこから近松作品の特徴を見出した。さらに、2019年度に予定していた近松以後の浄瑠璃作者(竹田出雲、三好松洛、近松半二等)の浄瑠璃作品を対象にオノマトペを収集し、整理した。それぞれ論文にまとめて発表することができた。
近松門左衛門の作品に見られるオノマトペの特徴に関しては、世話物と時代物それぞれのデータをもとに特徴を見出し、両者の比較に加えて中世軍記物語のオノマトペとの比較という視点から「近松門左衛門の時代浄瑠璃に見られるオノマトペの特徴―世話浄瑠璃との比較を交えて―」(『佐賀大学教育学部研究論文集』第4集第1号、pp117-130、2020年1月)という論文にまとめて発表した。また、近松作品のオノマトペを広く収集し考察する際に、作品全体を通して漢語系オノマトペが多用されていることに気がつき、近松作品の漢語のオノマトペの特徴を見出した。その成果は「浄瑠璃作品に見られる漢語系オノマトペ―和語と漢語の関わりから― 」(『佐賀大国語教育』第4号、pp26-38、2020年2月)にまとめて発表した。今年度のテーマである近松門左衛門以後に書かれた浄瑠璃作品に見られるオノマトペに関しては竹田出雲、三好松洛、近松半二等を中心とした浄瑠璃作品からオノマトペを抽出して整理し、近松作品との共通点と相違点を見出すことができた。この成果は「近松以後の浄瑠璃作品に見られるオノマトオペ―竹田出雲、近松半二を中心に-」(『佐賀大学全学教養機構紀要』第8号、pp.1-16、2020年3月)にまとめて発表した。昨年度の積み残しを完成させたうえで、今年度の予定はすべて達成することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度、データを収集した段階で終っていた近松門左衛門の時代浄瑠璃についてデータを整理し、特徴をまとめて「研究実績」に記した論文にまとめることができた。また、和語と漢語の観点から、近松門左衛門のオノマトペの特徴を見出し、「研究実績」に記した論文にまとめることができた。
今年度の予定であった近松門左衛門以後(竹田出雲、三好松洛、近松半二等)の浄瑠璃作品のオノマトペについて、代表的作品からオノマトペを抽出し、データを整理した。そのうえで、それらのオノマトペの特徴を見出して「研究実績」に記した論文にまとめることができた。

今後の研究の推進方策

2018年度、2019年度に予定した研究内容を達成することができたので、2020年度は予定通り歌舞伎作品(鶴屋南北)のオノマトペを収集し、整理する。さらに、鶴屋南北の歌舞伎作品に見られるオノマトペの特徴を見出し、論文にまとめる。現在のコロナウイルスの影響で国立国会図書館に資料検索・資料収集に行くことができるかどうかが懸念されるところである。参考文献の収集にあたっては、大学図書館を通じて国会図書館を有効活用できるように努めたい。また、急遽大学の授業がオンラインに切り替わったため、その対応に時間が取られることも予想される。少なくとも、データの収集と整理までは達成したい。

次年度使用額が生じた理由

今年度は国会図書館に3回の資料調査に行く予定だったが、授業日程等の関係で2回しか行くことができなかった。次年度は今年度行けなかった分を加えて資料調査に3回行く予定のため、ぜひ次年度の予算に加えていただき、調査を充実させたい。次年度のデータ収集対象は鶴屋南北の歌舞伎作品であるが、鶴屋南北全集及び関連資料の収集に予算以上の金額を費やすことが予想されるため、今年度の余剰分を次年度予算に加えていただき、資料の充実も図りたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] 近松門左衛門の時代浄瑠璃に見られるオノマトペの特徴―世話浄瑠璃との比較を交えて―2020

    • 著者名/発表者名
      中里理子
    • 雑誌名

      佐賀大学教育学部研究論文集

      巻: 第4集第1号 ページ: 117ー130

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 浄瑠璃作品に見られる漢語系オノマトペ―和語と漢語の関わりから―2020

    • 著者名/発表者名
      中里理子
    • 雑誌名

      佐賀大国語教育

      巻: 4号 ページ: 26ー38

  • [雑誌論文] 近松以後の浄瑠璃作品に見られるオノマトオペ―竹田出雲、近松半二を中心に-2020

    • 著者名/発表者名
      中里理子
    • 雑誌名

      佐賀大学全学教養機構紀要

      巻: 8号 ページ: 1ー16

    • オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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