研究課題/領域番号 |
18K00628
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
櫛引 祐希子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10609233)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 方言 / テレビ番組 |
研究実績の概要 |
コロナ禍での活動制限で予定していた放送ライブラリー(神奈川県横浜市)での視聴調査が計画通り進められなかったが、コロナ禍以前に視聴して分析が中断していた「正しい東北弁の話し方講座」(NHK,1987)・「笑われる方言 名古屋弁の消える日」(THK、1991)などを中心に、当時の方言研究の動向や社会的な思潮を踏まえて分析を進めている。 また、NHKが1990年代に制作した「ふれあい通り」は各地の商店街を取材した番組であり、各地の方言を使った会話が映し出されているが、方言の会話が番組内で出現するには、地元の方言を巧みに使うアナウンサーの存在が不可欠であることがわかった。とりわけ大阪放送局が作成した「笑顔のおばちゃんつどう街 大阪・東大阪市石切参道商店街」「びっくり箱の問屋街 大阪中央区・松屋町筋」は寺谷一紀アナウンサーと地元の出演者の交流が活き活きとした大阪方言で描かれている。 なお、放送ライブラリーでの視聴ができない事情を踏まえ、Web上で公開されているNHKアーカイブス「回想法ライブラリー:むかしの歌と音色 ふるさとのことば」の分析を開始した。これは、2000年に制作された「ふるさと日本のことば」(NHK)の映像を中心にして各地の方言が登場する映像を編集した2分程度の動画である。47都道府県別に動画が編集されており、一部の方言には字幕が映し出される。この動画は、主に高齢者が懐かしい映像を通して記憶の活性化や互いの交流を深めることを目的とした「回想法ライブラリー」の一環で作成されているが、各地の日常生活の一部を成す方言の会話を描いた動画として貴重である。この動画に映し出された方言の特徴を分析することで、動画の資料性について検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍にともなう活動制限にともない、放送ライブラリー(神奈川県横浜市)での視聴調査が困難な時期があったため、予定している視聴調査が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の社会状況に応じて再び放送ライブラリーでの視聴調査が困難になることも予想されるため、1980年代以降に作成されたテレビ番組(ドキュメンタリー)のDVDを購入し、教養番組や娯楽番組において方言がどのように扱われているのかを分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
社会状況に応じて出張を伴う視聴調査の実施が不安定となる状況を踏まえ、方言が使用されているドキュメンタリー番組(教養番組・バラエティ番組)のDVDを物品費として購入したた。科研の延長が認められたため、購入したDVDをもとに分析を進める。
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