明治期に入ってから、日本語の語彙が大きく変容した。漢語系学術用語の他に、二字漢語サ変動詞語幹と漢語形容動詞の急増も目立っている。学術用語は、西洋の新しい学問を受容する際、新概念の表出に貢献するのに対し、二字漢語動詞、形容動詞は、必ずしも新概念を表すものではなく、叙述の枠組みを提供するものである。いずれも言語の近代化に深くかかわる要素である。本研究は、これまでの術語中心の新漢語の研究成果を踏まえ、サ変動詞語幹と形容動詞を中心に、特に日中における二字語漢語の近代以降の活発化を記述すると同時にその原因を解明すべく研究を重ねてきた。研究期間中に、雑誌論文21編、図書は単著3点、共編著3点を公刊した。
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