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2019 年度 実施状況報告書

近代日本における漢字集合の字種・字体の変遷

研究課題

研究課題/領域番号 18K00631
研究機関神戸女子大学

研究代表者

岡墻 裕剛  神戸女子大学, 文学部, 准教授 (30568340)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード漢字文献 / 基本漢字集合 / 漢字制限 / 御雇い外国人 / 漢字廃止論
研究実績の概要

本研究は,近代日本の基本漢字文献に収録される漢字の字種・字体を調査し,個々の文献の特性(成立時期・背景,作成目的,作者,収録字数など)を考慮しつつ,それぞれの関係性を明らかにしようとするものである。本年度は,昨年度に引き続き資料の収集と整理を進めるとともに,西洋人の漢字文献の比較を行う段階に入った。具体的には次の資料についての検討を中心に研究を行った。(1)Chalmers, John, An account of the structure of Chinese characters under 300 primary forms, 1882,(2)Lay, Arthur Hyde, Chinese characters for the use of students of the Japanese language, 1895,(3)Chamberlain, Basil Hall, A Practical Introducti on to the Study of Japanese Writing, 1899.
これら3文献の比較により,これまであまり研究がなされていなかった(1)の文献が,独自の特徴を多くもった研究価値のある漢字文献であることを確認し,本文の異同から(1)と(3),漢字集合同士の一致率の高さから(2)と(3)の,それぞれ文献間の影響力の強さについても明らかにした。この成果は,東アジア日本研究者協議会第4回国際学術大会(2019年11月,台湾大学)において「近代における西洋人による漢字文献の比較研究」という発表題目で発表済みである。
また,今年度は漢字文献の電子化作業を開始し,専門の業者に文献の撮影を依頼するとともに,電子化の際に必要となる機材を購入して自身でも可能な限りの整理を行った。この成果については,ある程度まとまってからオンラインで公表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,当初予定している15文献のうち主に3文献について調査を行い,その研究成果も積極的に公開している。既に半数を超える文献について収集が終わっている。また,入手した文献の電子化作業も並行して進めている。おおむね順調に研究が進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

これまでに調査を行った文献について,さらなる研究と比較を行いその成果を発表する。残る文献についても,継続的に収集・整理・分析を行うことで,予定通り研究を進めていきたい。今後は,一部の文献の漢字画像をオンラインで提供する作業を開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの感染拡大防止のために,予定していた調査や物品購入が行えなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 近代における西洋人による漢字文献の比較研究 ―Chalmers(1882)・Lay(1895)・Chamberlain(1899)について―2020

    • 著者名/発表者名
      岡墻裕剛
    • 雑誌名

      神女大国文

      巻: 31 ページ: 右1-13

  • [学会発表] 西洋人による基本漢字集合の比較研究2019

    • 著者名/発表者名
      岡墻裕剛
    • 学会等名
      東アジア日本研究者協議会 第4回国際学術大会
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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