研究課題/領域番号 |
18K00639
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
山腰 京子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (20349179)
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研究分担者 |
藤井 友比呂 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (40513651)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 幼児の文法獲得 / 理由wh副詞 / 付加位置 / 左端部 / 自然発話分析 / 実験調査 |
研究実績の概要 |
2019年度は4つの研究実績を上げることができた。第1に、2018年度のWAFL14国際学会でポスター発表をした "Why in the Left Periphery in Child Japanese: Evidence from Children's Word Order" の研究成果に基づき、Proceedings of the 14th Workshop on Altaic Formal Linguistics (MITWPL)に論文が掲載され出版された。 第2に、2019年7月に神戸で行われた電子情報通信国際学会で"The Acquisition of Pourquoi ‘Why’ in the Left Periphery -Evidence from the Word Order in Child French-" というタイトルで口頭発表を行い、Proceedingsに論文を投稿しオンラインで掲載された。 第3に、2019年9月にモスクワ大学で行なわれたWAFL15国際大会で "Children’s Acquisition of Scope Assignment in Non-Canonical Word Order: (Anti-)Reconstruction Properties in Right Dislocation and Clefts in Japanese"というタイトルで口頭発表を行い、2020年9月に出版される予定のProceedings of WAFL15 (MITWPL) に論文が掲載される予定である。 第4に、2019年11月にボストン大学で行なわれたBUCLD44国際学会で "The Agent-First Strategy and Word Order: Children's Comprehension of Right Dislocations and Clefts in Japanese"というポスター発表を行い、2020年6月に出版されたProceedings of The 44th Boston University Conference on Language Development (Cascadilla Press) に論文が掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上に述べたように、2019年度は3件の国際学会発表を行うことができ、順調に研究が進展し研究成果を発表できていると考えている。また3本の論文が国際学会誌に既に掲載され、1本の論文が国際学会誌に掲載される予定であることに関しても、順調な進展であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は2つの研究発表とその後の進展を考えている。第1に、日本語の理由WH副詞と「~しか」という作用域を持つ要素の共起に関して質疑応答法を用いた幼児への実験に関して発表を行う(2020年度9月に国際学会Japanese/Korean Linguistics Conferenceで口頭発表を行う予定である)。 第2に、理由wh副詞と焦点表現(「毎日」, 「時々」など)の語順の制約に関して、まず大人に行った実験に関して学会発表を検討している。この実験結果に基づき、幼児への実験への可能性を具体的に検討したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会渡航/滞在費用として前倒し支払い請求をお願いさせていただいたが、共著で参加した大学院生が大学からの学会発表費用補助をいただいたこともあり、当初の予想よりも学会渡航・滞在費用がかからなかったため。2020年度はイギリスでの国際学会に参加予定であったが、新形コロナウイルスの影響でオンライン開催になってしまった。来年度はぜひ実際に国際学会に出かけて成果発表を行い、その際の渡航/滞在費用として使用したいと考えている。
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