全ての叙述関係は主語をその指定部、述語をその補部に選択する機能範疇の存在によって確立されるという考えに基づき、叙述関係を伴うと見做される様々な構文の共通性は、Prという具体的な範疇の存在に集約されるというBowers(1993)のPrP分析を用いて、叙述関係を統語的・意味的に検証し、構造を提案した。小節だけでなく、二次述語と呼ばれる構文に対し、ミニマリスト理論に基づいて通時的・共時的な研究を行い、その構造が位相を形成すると主張し統語構造を提案した。さらに歴史的なデータの検証から、小節の構造は元々語彙範疇であったが機能範疇へと歴史的に変化したと提案したというこれまでの研究にさらなる証拠を与えた。
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