本格的な英語の史的コーパスであるHelsinki Corpusが公開されてから約30年が経過した現在、英語の史的研究においてコーパスをどのように利用するかを再検討する時代が来ている。本研究では、近年の研究動向を踏まえ、個人言語の変動の詳細な分析を通してかえって言語変化全般への理解が深まることを、中英語、初期近代英語における具体的な事例とともに明らかにした。また、英語史研究のみならず、現代英語における変化・多様性の研究にも応用できる視点として、コーパスの構築そのものにも多様性が求められることを示した。
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