研究課題/領域番号 |
18K00647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
早瀬 尚子 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 教授 (00263179)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 主観性 / 事態把握 / 懸垂分詞 / 対人関係機能 / 談話標識 |
研究成果の概要 |
懸垂分詞は発話の現場に密着した表現のため、発話者の立ち位置を必然的に含むことから、談話標識化という語用論的な機能を担う変化を見せる。本研究では、懸垂分詞の変化事例の検討を通じ、その意味変化の方向性を検討した。まず第一に、過去分詞由来の懸垂分詞はいずれも譲歩解釈を経由して談話標識化へ至る変化を見せていること、第二に、懸垂分詞が文頭か文末かのいずれで用いられるかという位置によって、対人関係上の意味が異なってくること、第三に、移動を表す懸垂分詞がメタファー的に転用されて、話題の時間管理の表現から話題そのものの変遷を示すものへと変化することを見た。
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自由記述の分野 |
認知言語学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
懸垂分詞は慣用的分詞構文として英語教育でもなじみがあるものだが、その主観化や談話標識化が見せる意味変化が個別バラバラに起こるのではなく、一貫性があるパターンが見られることが明らかになった。この現象は主観的・談話関連表現への語彙化現象ともいえるが、理論的な貢献として、認知言語学を発端とする構文化理論の中で捉えなおし位置づけられることを示したことになる。また、その機能が文頭か文末かという位置により異なるということから、語順の違いを積極的に構文として捉えることで、下位構文の知識の充実の必要性が再認識できることとなった。この知見は言語教育にも応用貢献できると考えられる。
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