研究課題/領域番号 |
18K00650
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
吉村 あき子 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (40252556)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ストーリー・アイロニー / 状況アイロニー / アイロニー発話 / 皮肉 / アブダクション / アイロニーと発話のポイント / 反対的対極関係 / 発話のストラテジー |
研究成果の概要 |
本研究は、アイロニーを感じる発話や事の成り行き等について、何が私たちにアイロニー性を認識させるのか(アイロニー性の認識)の解明を目標とした。日英語の多様なデータを分析した結果、アイロニー性の認識は、先行認識と現実認識の対極的認知構造を基本構想として、異なる様式(①ストーリー・アイロニー、②状況アイロニー、③アイロニー発話)は、それぞれに、固有の追加的特性伴うシステムを構成していることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
人文科学、言語学・英語学、認知語用論、関連性理論、意味論、推論、アブダクション、レトリック
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アイロニー(皮肉)の言語学的研究の分析対象はアイロニー発話(①)である。しかし人は、『オイディプス王』のような「ことの成り行き(ストーリー)」(②)にも、火事が消防署で起こる「状況」(③)にも、アイロニーを感じる。これらを包括的に説明するアイロニー研究は見当たらない。本研究は、対象が何であれ、人がアイロニーを感じる限りにおいては共通の認識構造が成立していると仮定し、アイロニーの基本的な認知構造と、①②③の固有特性を抽出し、各様式の特徴記述、相互の関係、を明らかにした点で、学術的意義があり、その成果が実践的コミュニケーションに応用可能である点で社会的意義がある。
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