本研究の学術的意義は、一見異なる構文に見える疑似関係節と比較相関構文について類似性を記述して、それらに対してCikto (2011)の対称的構造の観点から統一的な説明を与えたことであった。両構文の類似性については、先行研究ではあまり言及されておらず、本研究で初めて記述されたものと思われる。これをもとに文法書等の記述の整理に多少なりとも貢献できると思われる。また、疑似関係節構文の対称的ラベル付けの分析は、共有素性によってラベル付けを行うというChomsky (2013)のラベル付けアルゴリズムの考えを補強するとも考えられる。
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