本研究の目的は、Chomsky (2013, 2015) が提唱するラベル付け理論において、(i)標準的な主語位置に現れる非名詞句・非主格句が機能主要部Tとどのようなagreementを行うのか、(ii)動詞句内に残る主語・主格名詞句はどのようにして距離的に離れている主要部Tとagreementを行うのか、を明確にすることである。(i)については、素性継承の結果、話題素性のagreementもしくはphi素性に関する部分的なagreementがあることを示した。(ii)については、距離的に離れている2要素間でも同一位相内であればC統御に基づきagreementが行われるという結論を導いた。
|