本年度は、文体論、物語論、ナラティブ研究に関する重要文献を精読・再読し、当該分野の知識及び援用・実践例に関してさらに研究を深めた。これと並行し、これまでに収集した分析テクストの文体分析を行い、本研究の成果に基づいた発表を行った。具体的には、Poetics and Linguistics Association国際大会にて「The Influence of L1 on L2 Proficiency: A Stylistic Analysis of English Writings by Japanese EFL Learners」を共同発表し、また日本国際教養学会第10回全国大会では文体論を観光コミュニケーションに援用した「観光英語コミュニケーションに関する質的研究―京都フィールド調査から見えた実情と課題-」や「Typical Errors in Japanese Made by Non-Native Speakers : A Case Study at a Senior School in Australia」等、3件の発表を行った。また、文体論の手法を日本人英語学習者のライティングの分析に援用した「The Impact of L1 on L2: A Qualitative Stylistic Analysis of EFL Learners' Writing」は、専門書『Pedagogical Stylistics in the 21st Century』に掲載された。さらに、応用文体論及びナラティブ研究の成果を書籍『ナラティブ研究の実践と応用:現代社会への理解と貢献に向けて』にまとめ、2022年2月に出版した。2022年3月20日には、科研費成果発表会『ナラティブ研究の実践と応用』を開催し、本科研費研究で実施した研究成果を社会に向けて公表した。
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