本研究は言語類型論でいう証拠性(evidentiality)と意外性(mirativity)という文法的カテゴリーを 関連性理論における高次表意(higher-level exmplicature)という考え方を用いて再検討するものである。証拠性は新情報の情報源を明示することと、意外性は新情報と既知情報の差が予想外のことである ことと、密接な関係があるが、その言語上の具現化は言語によって異なる。 新型コロナ感染症の影響で研究延長が許可された今年度のおもな目標は、2020年度にオンライン形式で行われた国際大会で発表した原稿を国際雑誌Pragmaticsに応募したものを、査読者のコメントを取り入れて改訂することであった。その論点は、本研究のテーマをさらに発展させ、その観点から日本語と英語を比較し、かつ比較言語学への応用可能性を示唆したものである。査読者とのやり取りを経て、2023年3月採用が決定した。最終稿は次年度の早い時期に提出予定である。
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