研究課題/領域番号 |
18K00683
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
徳井 厚子 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (40225751)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 外国人相談員 / 日本人コーワーカー / 協働 / 資質・能力 |
研究実績の概要 |
2018年度は、地域において活躍している外国人相談員、日本人コーワーカーにインタビューを行なった。特にインタビューに見られた外国人相談員の資質・能力の分析を中心に、以下についてまとめ、学会発表及び論文発表を行った。 1)外国人相談員のインタビューデータを分析し、外国人相談員が捉えている「外国人相談員に必要な資質・能力」について抽出し分析を行ない、その結果を論文「外国人相談員に必要な資質・能力―外国人相談員の語りからみえてくるもの」(信州大学教育学部研究論集)にまとめた。分析では、外国人相談員に必要な資質・能力を個人レベル、対人レベル、ネットワーキングレベル、社会レベルに分け考察した。個人レベルでは忍耐力、OJTとしての学びの力、外国人当事者としての経験を活かす力が挙げられた。対人レベルでは、聴く力、受容力、情報発信力、個の多様性への対応、スキーマ獲得の支援が挙げられた。ネットワーキングのレベルでは相手と対等な関係を築く力、双方向のネットワーキング力、日本人との協働力が挙げられた。また、社会的レベルにおいては社会の状況に対応する力を挙げた。また特に外国人相談員特有の能力としてスキーマ獲得支援を挙げた。 2)外国人児童就学支援事業について政策過程分析の観点から分析し、その結果を異文化間教育学会特定課題研究において発表し、論文「外国人児童就学支援事業における構築・再構築過程」(異文化間教育49号)にまとめた。分析の結果、外国人相談員が事業の政策の再構築過程において政策を展開、実現していくために仲介者として重要な役割を果たしていることを指摘した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
外国人相談員と日本人コーワーカーの協働のためにまず外国人相談員の捉えている資質・能力を明らかにすることができ、その結果を学会、論文で発表することができた。インタビューについては、地域の外国人相談員、日本人コーワーカーに対し行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
2018年度に引き続き、地域における外国人相談員および日本人コーワーカーに対してインタビューを継続する。 外国人相談員と日本人コーワーカーがそれぞれ「協働」という概念とどのように捉えているのかについて、インタビューを行いその結果からこれらの相違点を明らかにする。これらの相違点やギャップが外国人相談員と日本人コーワーカーの間の協働を阻害する要因となっているかどうかについて考察する。 また外国人相談員及び日本人コーワーカーに対して必要と考える資質・能力についてもインタビューを行いその結果を考察する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2019度はさらにインタビュー調査を継続して行うためインタビュー謝金及び書き起こし代が必要である。また2019年度以降、当初の予定より多く学会参加・発表を行う予定のため、旅費が必要となった。
|