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2023 年度 実績報告書

非同意が選好的反応となる評価の相互行為研究:「褒め」と「自己卑下」を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 18K00684
研究機関帝京大学

研究代表者

初鹿野 阿れ  帝京大学, 外国語学部, 教授 (80406363)

研究分担者 岩田 夏穂  武蔵野大学, グローバル学部, 教授 (70536656)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード否定的自己評価 / からかい / 会話分析
研究実績の概要

本研究は「否定的自己評価」発話、及び「からかい」が現れる連鎖環境とその機能を明らかにすることを目指した。研究期間全体を通じて「否定的自己評価」発話の働きには、1) 自分の発話が他者への挑戦となりうる発話への対処として働いているもの、2) 相手から期待される行為を自分が遂行でき ないのではないかという懐疑に対処しているもの、3) 自分の未来の行為の予想(肯定的なもの)が聞き手によって十分に支持されなかったやり取りの あとの位置において、自ら否定的な結果予想を行うものがあることが明らかになった。2)と3)は、相互行為における何らかの気まずさや予想されるコミュニケーション上のトラブルへのヘッ ジのような役割をしていると考えられる。また、否定的自己評価発話は自分の状況や能力について否定的に評価することで笑いを誘い、状況を和ませる働きがあることがわかった。過去1-2年はあまり十分な結果が得られなかった反省から、本年度は新たな分析の視点を模索した。今後の課題として引き続き調査、分析を行いたい。
「からかい」の分析は、雑談における物語および誘いの展開に生じたトラブルへの対処に見えるからかいに注目し、からかいが産出される連鎖環境の特徴と相互行為上の働きを会話分析の手法を用いて探った。その結果、面白い話としてオチまで語る、あるいは、誘いを誘いとして理解できるように組み立てることに失敗して進行にトラブルが生じているやり取りにおいて、からかいがトラブルに対処する妥当な振舞いとして理解可能な連鎖環境で産出されていた。さらに、からかいに続いて、参与者が失敗を検証することでトラブルを解消することが確認された。この分析から、からかいが相互行為上のトラブルを顕在化し、その解決を可能にする方策として利用されていることを示唆した。本研究は分担者が執筆した論文が発表予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 雑談におけるトラブルの顕在化と解決の実践ー話の展開の失敗に対するからかいに注目してー2024

    • 著者名/発表者名
      岩田夏穂
    • 雑誌名

      社会言語科学

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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